悩みや不安を抱えたクライアントの相談に寄り添い、解決へ導いていくカウンセラーの需要は、ますます高まっています。
しかし、カウンセラーをはじめたばかりの方や、これからスタートする方の中には、「どんな服装でカウンセリングをすれば良いのか」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事は、心理カウンセラーはどんな身だしなみが好ましいかについて解説します。服装ごとのメリット・デメリット、カラーが与える印象についても紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。
目次
心理カウンセラーは身だしなみでイメージが変わる
「人は見た目が9割」といわれるように、カウンセラーがクライアントに与えるイメージは、服装によって変わります。
悩みや不安を抱えたクライアントの相談に寄り添い、解決へ導いていくカウンセラーの仕事は、クライアントが心を開きやすいように、できるだけ第一印象を良くすることが大切です。
そのため、清潔感や知性を感じさせる服装がベストといえます。
「おしゃれな人」や「きれいな人」といったイメージではなく、「相談しやすそう」「優しそう」「親近感がわく」と思ってもらうことが重要です。
また、クライアントはカウンセラーの服装だけでなく、身だしなみもチェックしています。髪や爪、メイクなども清潔感を意識して整えておくといいでしょう。
できるだけ華美なデザインや派手な色の服装は避け、露出を控えて、クライアントが話しかけたくなるような清潔感のある身だしなみを意識してください。
心理カウンセラーの服装は「白衣」「私服」「スーツ」の3種類
心理カウンセラーの服装はジャンルによって異なりますが、一般的には「白衣」「私服」「スーツ」の3種類です。
ここでは、それぞれの服装にどのようなメリット・デメリットがあり、どんな印象を与えるのかについて解説します。
白衣のメリット・デメリット
白衣は、医療や保健の分野で活躍するカウンセラーに多い服装です。
【メリット】
- 機能性や長時間の着用を重視されたつくりで、着心地が良い
- 初対面でもカウンセラーだと一目でわかる
- 見栄えが良く、安心感や信頼感につながる
- スタッフが多い場合、白衣を着用することでチームとしての連帯感が生まれる
【デメリット】
- カウンセラーとわかりやすい半面、白衣を嫌うクライアントもいる(クライアントによっては、緊張や不安、圧迫感、恐怖心を感じる)
- かしこまっている感じがして話しづらい
周りの人には話せないことを相談できるカウンセリングは、非日常的な場面ともいえるため、白衣は私服やスーツと違い、そういった環境をつくりやすいという特徴があります。
しかし、白衣によって緊張や不安といった不快感を感じ、話しづらくなる方もいることを覚えておきましょう。
私服のメリット・デメリット
私服は、施設や企業内のカウンセリングルームに勤務する人に多い服装です。また、福祉施設や児童相談所などの福祉の分野や、スクールカウンセラーなどの教育分野でも同様す。
【メリット】
- 自分のイメージや職場のコンセプトにあった服装をしやすい
- 通勤と仕事で着替える手間がなくなる
- 堅苦しくなく、ゆったりとした気持ちで仕事ができる
【デメリット】
- 自分で服装を選べるが、毎日何を着るか考えなければならない
- 分野や相手によって選ぶべき服が変わってくる
- TPOにあわせた身だしなみを心がける必要があるが、選択肢が多くて難しい
勤務先で服装が自由と決められている場合でも、大きなロゴがプリントされている服や、派手すぎる服装はクライアントへ不快な印象を与える可能性があるので、避けておきましょう。
私服がOKとはいえ、活躍する分野やクライアントによって相談内容も異なるため、TPOにあわせた服装選びを心がけてください。ジャケットを着用するのも良いでしょう。
スーツのメリット・デメリット
カウンセラーの中でも、家庭裁判所や少年院などの司法機関や、セミナー講師、産業カウンセリングの場合は、スーツを着用するのが基本です。
【メリット】
- 信頼できそうな人という印象を与える
- 私服のように毎日のコーディネートに悩む必要がない
- 通勤、カウンセリング、セミナーや窓口など、カウンセリングに関わるどんな場面でも無難な服装で、相手に不快感を与えにくい
【デメリット】
- 堅いイメージがあり、窮屈さを感じさせる場合がある
- ビジネスシーンでよく着用されるため、カウンセラーと認識されにくい
- クリーニングやメンテナンスが必要
- 動きにくい
一度揃えてしまえば、コーディネートに悩まないで済むスーツですが、人によっては緊張感や窮屈さを感じてしまい、相談しづらくなるといったデメリットもあります。
同じスーツでもベージュなどの明るい色味であれば、優しく温和な印象を与えられるでしょう。配属先やクライアントによって色や柄を選ぶようにしてみてください。
服装の色が与える印象
服装によって、人に与える印象が変わることがわかりましたが、服装のカラーが与える印象も大きく、第一印象を良くするための大切な要素といえます。
ここからは、カウンセラーに採用される代表的なカラーとそのイメージについて紹介します。
白
「白」は病院やクリニックなどの現場でよく使われる色で、清潔感があり、顔色や雰囲気を明るくする効果があります。
真面目さを印象付けられる色でもあるため、ビジネスの場やセミナー、面接などでもよく着用されています。
白はどんな色とも相性が良く、カバンや靴といった小物などともあわせやすいため、普段のコーディネートに取り入れやすいでしょう。
ただし、白は光を反射して明るくする効果がある半面、透けやすい色味でもあるため、インナーにはベージュ色を選ぶなど、注意する必要があります。
ネイビー
「ネイビー」は学校や企業などの制服にも用いられる色で、信頼感や誠実さ、知性といったイメージを与えられます。
また、ネイビーは落ち着きや調和性を感じさせるため、銀行などの信頼感が求められるような現場でもよく着用されています。
品が良く清楚なイメージがあり、万人受けしやすい色なのでカウンセラーの現場でよく用いられているカラーです。
ただし、ネイビーは人によっては堅苦しさを感じさせてしまい、緊張感やストレスを与えてしまうこともあります。TPOに応じてコーディネートに取り入れてみてください。
グレー
無難なカラーともいわれる「グレー」は、ソフトなイメージを与え、主張が控えめで他の色を引き立てる調和色です。
また、グレーは誠実さや冷静さ、柔らかくて上品なイメージがあります。
他の色との相性が良く、コーディネートにも取り入れやすいため、一年中重宝するカーディガンなどにグレーを選択するのもいいでしょう。
グレーはネイビーと同様に制服などによく用いられる色で、親しみやすさというよりも信頼感や誠実さをアピールできます。
ピンク
「ピンク」には攻撃性や怒りを抑制する効果があり、幸福感や安心感を与えます。柔らかい印象でありながら温かみを感じさせるので、落ち着いた癒やしのある空間にしたい場合におすすめです。
ピンクといっても、鮮やかな濃いピンクと淡いピンクなど、色調によって相手に与える効果は異なります。
濃いピンク:神経を刺激する色。気分を高揚させる効果がある
淡いピンク:リラックス効果がある色。気持ちを和ませる効果がある
カウンセラーの現場では、クライアントにリラックスしてもらい、心を開いて悩み事を話しやすくすることが求められるため、濃いピンクよりも淡いピンクをコーディネートに取り入れるのがおすすめです。
ラベンダー
「ラベンダー」は、落ち着きや上品で清楚なイメージがあり、安心感や信頼感を与えます。
ラベンダーにはピンクよりも少し落ち着いた大人なイメージがあるため、ピンクに抵抗がある方にもおすすめです。
癒やしや優しさ、開放感など、心を穏やかにする効果がある色味なので、カウンセラーの現場で用いるにはピッタリの色味だといえるでしょう。
病院やクリニックなどの現場で働く方にもおすすめの色です。
ライトブルー
ライトブルーは、優しく落ち着いた雰囲気や癒やしを与える効果があります。また、親しみやすく、誠実感や信頼感を得やすい色です。
パステルカラーは、優し気なイメージを感じさせるため、病院やクリニックなどのナース服などにもよく用いられています。
ライトブルーは薄い色味なので、白い肌とマッチしやすく、色白の人にはとてもおすすめです。ただし、白色と同様に透けやすい色なので、着用するときにはインナー選びに注意しましょう。
クライアントに良いイメージを持ってもらうには?
カウンセラーがクライアントに良いイメージを持ってもらうためには、「クライアントの立場になって雰囲気や印象を作り出すこと」が大切です。
まずは、どんな人に話を聞いてもらいたいか想像し、そのためにカウンセラーの自分がどうあるべきかを考えてみましょう。
例えば、カウンセラーは傾聴する際、うなずく機会が多い職業です。「うなずくたびに大きく揺れるピアスやイヤリングをしていたら、相手は気になってしまうのではないか?」など、クライアントの目線になってイメージすることが必要です。
とはいえど、「カウンセラーの服装選びは、地味になりがち」という方も多いかもしれません。そのようなときは、小さくて揺れないピアスやシンプルなネックレス、腕時計などでアクセントを加え、クライアントが話しかけやすくなるような雰囲気づくりを意識しましょう。
人の見た目は第一印象に大きな影響を与えますが、カウンセラーの仕事は、おしゃれやセンスを意識するよりも、清潔感や安心感を持たれる身だしなみを心がけることが大切です。
カウンセラーの身だしなみは服装や色にもこだわりましょう
身だしなみ一つでカウンセラーの印象は大きく変わります。カウンセラーの服装や色味によって、クライアントの気持ちに影響を与えてしまうことを意識しておくことが大切です。
ただし、カウンセラーの仕事におしゃれさは求められないため、クライアントが持つイメージを重要視しながら、安心感や信頼感、親近感を与えるような服装を心がけましょう。
服の種類だけでなく、カラーや小物などにも意識を働かせて、地味になりすぎて暗い印象を与えてしまわないように注意してください。
カウンセラーはクライアントに常に見られていることを意識しながら、見た目に配慮して、クライアントに良いイメージを持たれるカウンセラーを目指しましょう。