マーケターとコンサルは、SEOや集客、起業の文脈でごくごく頻繁に登場します。いずれも事業の発展に重要な役割を担っている一方、両者の正確な棲み分けを理解している方はそこまで多くありません。
そこで今回は、マーケターとコンサルの違いに加えて、両者をミックスさせた「マーケティングコンサルタント」の特徴についても解説します。
目次
マーケターとコンサルの違いとは?
ここではさっそく、マーケターとコンサルの違いを初心者でも分かりやすいように解説します。まずはそれぞれの概要からチェックしていきましょう。
マーケターの概要
マーケターは、クライアントが扱う商品やサービスにどれほどの需要があるかを調査し、認知度を高めて売上アップを図る役割を担っています。具体的な仕事内容は以下の通りです。
- 市場調査: 消費者のニーズや動向を把握
- 戦略策定: 調査結果をベースにマーケティング戦略を策定
- ブランディング: 商品・サービスの価値を最大化するためのブランドイメージを作成
- 広告・宣伝: 適切なメディアや手法を使用して商品・サービスを宣伝
- データ解析: 売上やアクセス数といったデータを分析し、マーケティング施策の効果を測定
- 顧客関係管理: 顧客との関係を維持・深化させるための取り組みを実施
マーケターには、市場動向の変化をキャッチするアンテナと、創造的な思考、適切な分析スキルが求められます。大中小問わず、事業者の成功を左右する重要なポジションであり、市場と顧客、企業との橋渡しとなる存在といえるでしょう。
コンサルの概要
コンサルタントは、特定分野の知識や経験を活かし、企業の課題解決に向けてサポートしていく専門家です。つまり、コンサルタントもマーケティング関連のアドバイスを行うケースがあります。
以下はコンサルタントの仕事内容を要約したものです。
- 課題分析: クライアントのビジネスや組織全体における課題の原因を分析
- 戦略策定: 課題解決に向けた戦略や方針を提案・実行計画の策定
- 実装サポート: 戦略実行において必要なサポートや協力体制を設ける
- 効果の評価: 実施した取り組みの結果を分析・評価
- 専門知識の提供: クライアントへのアドバイスを通して専門知識を提供
コンサルタントには、高度な分析能力とコミュニケーションスキルが求められます。そして、クライアントの持続的な成長・成功を促す役割を持っており、マーケターよりも幅広い領域を担う印象です。
コンサルとマーケターの違い
ここまで見てきた通り、コンサルタントとマーケターは企業・組織の成功をサポートする点は共通していますが、アプローチと担当領域が異なる点に気づいたでしょうか。
たとえば、コンサルタントは主に企業・組織の「課題や問題を特定」し、以下のような解決策を提供します。
- ビジネスモデルの最適化
- 組織構造の改革
- 技術導入の助言 など
場合によっては、中立的な立場から厳しい評価を下し、組織の目の前にある障壁を特定することもあるでしょう。したがって、コンサルタントはマーケティングのみを支援するのではなく、「なぜそうなったのか?」「今後は自力で解決できるか?」という根幹的な部分にまでフォーカスするのです。
一方、マーケターは商品やサービスの「市場価値を最大化すること」に焦点を当てています。彼らの主な仕事は以下の通りです。
- 広告キャンペーンの実行
- ブランドのアイデンティティ構築
- デジタルマーケティングの最適化
上記の通り、マーケターの業務範疇は「商品・サービスの宣伝やブランディング」となり、コンサルタントよりもさらに狭くなります。
以上のことから、コンサルタントは組織全体の問題解決・戦略策定に重点を置いた根本治療。対するマーケターは商品やサービスの価値向上に特化した救急治療と考えれば分かりやすいですね。
コンサル・マーケターが向いている人
副業を始めるにあたって、少しでも効率的に稼ぎたいなら、自分に適性のある仕事を選ぶ必要があります。そこで次は、コンサルとマーケターそれぞれの向いている人を見ていきましょう。
コンサルが向いている人
コンサルはマーケティングに関する表面的な課題だけでなく、「なぜそうなったのか?」「再発しないためには?」と徹底的に疑問を深掘りし、「マーケティング以外の部分」まで踏み込んで根本解決を目指します。
そのため、以下のような特徴を持った方は、コンサルが向いているかもしれません。
- 複雑な問題や課題に対して効果的な解決策を考え、提案できる
- 顧客やチームメンバーとスムーズにコミュニケーションが取れる
- データや情報を整理して論理的に分析できる
- 顧客との信頼関係を築くためのプロフェッショナルな態度を持っている
- 考えや提案を明確に伝えるための効果的なプレゼンテーションが行える
上記に加えて、マーケティングに関する知識・経験があれば申し分ありません。ただし、「企業が抱える悩みを解決できるスキル」が求められるので、少なくとも4~5年以上はコンサル会社で経験を積むのがおすすめです。
マーケターが向いている人
マーケターはとにかく「サービス・商品をどうやって売るか」「どのように企業の売上・ブランドアップに貢献するか」を思考していくプロフェッショナルです。
向いている人の特徴は以下の通りとなります。
- 新しいアイディアやキャンペーンを考え出すのが楽しい
- 市場のデータやトレンドを分析して戦略を立てるのが得意
- 様々なステークホルダーとの効果的なコミュニケーションが取れる
- 常に新しいマーケティングのトレンドや技術を学ぶ姿勢がある
- マーケティング活動においても顧客や企業の信頼を損なわないための倫理観を持っている
マーケターの作業領域はコンサルより狭いのが基本。しかし、だからこそ「マーケティングに特化」した能力・思考・人間関係のバランス感覚が必要不可欠なのです。
マーケティングコンサルタントとは
ここまで解説した通り、コンサルとマーケターは明確に異なる仕事ですが、多くの方は「これって別に分業しなくても良いのでは??」と考えるかもしれませんね。たしかに、コンサル業の中にマーケターの業務領域を含めれば、無理なくワンストップで請け負えそうな気がします。
次は、マーケティングコンサルタントの概要と起業するメリット・デメリットを解説します。
マーケティングコンサルタントの概要
マーケティングコンサルタントは、企業や組織がマーケティング戦略を実行する際、ミクロとマクロの側面からソリューションを提案し、将来的に自己解決できるようサポートする仕事です。
一言で表せば、マーケターとコンサルの複合ポジションとなります。「そもそもこの商品で良いのか?」「では販売するにはどうすれば?」「将来この企業が自己解決するには?」と幅広い視点・立場からクライアントをサポートできるでしょう。
マーケティングコンサルタントのメリット
マーケティングコンサルタントとして起業すれば、以下のようなメリットが得られます。
- 企業へ売り込みやすい
- 副業としても取り組める
- 高収入が狙える
企業にとっては「マーケティング」と「コンサルタント」をワンストップで依頼できる利点があるので、どちらか一方で活動するよりもセールスしやすいでしょう。月単位で契約を結べば月収30万円程度は安定的に稼げるだけでなく、クライアントの合意が得られれば副業としても取り組めるメリットがあります。
マーケティングコンサルタントのデメリット
マーケティングコンサルタントには、以下のようなデメリットもあります。
- 参入難易度が高い
- 業務範囲をきちんと定義する必要がある
マーケティングコンサルタントは2つの仕事を兼ね備えたプロフェッショナルです。両方のノウハウを高度なレベルで備える必要があるため、参入難易度は必然的に高まります。
また、契約時に業務範囲をしっかり定義しておかないと、「こっちも頼みたい」「経営の方はマネジメントしてもらえないの?」と次から次へリクエストが降ってきて、いずれキャパオーバーになるでしょう。
マーケターとコンサルの適性を見極めよう
本記事では、マーケターとコンサルの違いや、マーケティングコンサルタントのメリット・デメリットを解説してきました。
両者はある程度地続きの領域で活躍する性質上、二つを合わせた「マーケティングコンサルタント」と名乗ることも可能です。しかし、初心者にとってはやや参入難易度が高いので、まずはウェブライターやコンテンツディレクターとしての経験を積み重ね、マーケターから始めた方が良いでしょう。
そこからコンサルにステップアップし、最終的にマーケティングコンサルタントを名乗った方がスムーズです。