カウンセリングとは、自分が抱えている悩みをカウンセラーと対話しながら解消していくことです。

カウンセリングを受けてみたいけれど、カウンセリングの内容や受けることによる効果が気になり、一歩をなかなか踏み出せないという方が多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、カウンセリングの流れや効果について詳しく解説します。カウンセリングを受けられる場所や料金についてもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

カウンセリングを受けられる場所

まずは、カウンセリングを受けられる3つの場所とそれぞれの特徴について、詳しく解説します。

医療機関

カウンセリングと聞くと、真っ先に医療機関を思いつく方が多いかもしれません。病院やクリニックなどの医療機関の中でも、精神科や心療内科でカウンセリングを受けられます。

精神科では、うつ病や躁うつ病、統合失調症などの精神疾患に対する治療が行われます。それに対して心療内科では、頭痛やめまいなど、ストレスなどにより体にあらわれた不調に対する治療が行われます。

精神科医は病名の診断や薬の処方ができるため、投薬治療を受けられるのに対し、臨床心理士は投薬治療ができないため、心理検査やカウンセリングによる心理学的な方法で治療をします。

公共機関

国や地方自治体の公共機関でも、カウンセリングを受けられます。保健所や保健センターなどさまざまな公共機関がありますが、中でもメンタルヘルスに特化した機関が精神保健福祉センターです。

精神保健福祉センターとは全国に設置が義務付けられている機関で、臨床心理士などの専門の職員によるカウンセリングが受けられます。

また、精神保健福祉センターではメンタルヘルス全般に関して、面談や電話での相談も可能です。公共機関によるカウンセリングは、原則として無料で受けられます。

民間機関

臨床心理士などの資格を持った個人が営むカウンセリングルームでも、カウンセリングを受けられます。医療機関ではないので、医療保険の対象とはならず、カウンセリングにかかる費用は自己負担となります。

Webサイトなどでカウンセリングルームの詳細を確認し、利用する際には料金などを事前に調べておくと良いでしょう。また、カウンセリングを受ける際には、無資格のカウンセラーでないか臨床心理士などの資格の有無を確認しておくことをおすすめします。

カウンセリングの方法

カウンセリングの方法にはいくつかの種類があります。対面で相談したい方、電話やメールで受けたい方など、それぞれの意向にあった方法でカウンセリングを受けましょう。ここでは、5つのカウンセリング方法について詳しく解説します。

対面カウンセリング

対面カウンセリングは、カウンセラーと相談者が1対1となる空間で面談するものです。

相談者とカウンセラーがお互いに相手の表情やジェスチャーを感じられ、相談者は自分の思いを誰にも邪魔されずカウンセラーに話せます。

グループカウンセリング

グループカウンセリングは、同じような悩みを抱えた相談者が複数人集まって、グループ形式で行われるカウンセリングです。

相談者同士が交流する機会が生まれることで、自分以外に悩んでいる人の話が聞け、お互いに共感し合えるという特徴があります。また、自分とは異なる考え方に触れ、新たな発見や気付きがあるのもグループカウンセリングの利点です。

電話カウンセリング

電話カウンセリングは、カウンセラーのもとに出向く必要がなく、電話でカウンセリングが受けられます。心の病気を患っている場合、外に出るのが難しい、対面で話すことができないという相談者も少なくありません。

そのような場合でも電話カウンセリングであれば、自宅など自分が落ち着ける場所でカウンセラーと話ができます。

メールカウンセリング

メールカウンセリングは、カウンセラーと相談者がメールをやり取りすることでカウンセリングが行われます。

精神的な理由から体に不調があらわれているものの、時間がなかなか取れないといった場合でも、空いた時間にメールを送るだけでカウンセリングを受けられるため便利です。

また、自分の思いを文字に起こすため、面と向かって話す場では考えがすぐにまとまらないといった方でも利用しやすいカウンセリング方法です。

オンラインカウンセリング

オンラインカウンセリングは、SkypeやZoomなどを使ったカウンセリングを指し、昨今増えつつあるカウンセリングの方法です。

パソコンやスマホなどを使ってビデオ通話を通じて話ができるため、カウンセリングの施設が遠方にあって通うことが難しい方でも、顔を見ながらカウンセリングを受けられます。

また、気が休まる自宅からカウンセリングを対面で受けられるため、リラックスして話をしやすいというメリットもあります。

カウンセリングの料金

カウンセリングの料金は、相談する場所によって異なります。

病院などの精神科や心療内科で診療として医師によるカウンセリングを受ける場合は、医療保険が適用されるため、費用の1〜3割の負担で済みます。

ただし、医療機関であっても医師以外からカウンセリングを受ける場合や、民間のカウンセリングルームなどでカウンセリングを受ける場合は、保険適用外になる点に注意してください。

また、民間のカウンセリングは、それぞれの機関ごとに個別の料金が設定されています。一方で、産業カウンセラー資格の認定団体である「一般社団法人日本カウンセラー協会」では、定期的に無料のカウンセリングを行っている場合もあります。

基本的なカウンセリング料金の相場としては、1回60分の相談で5,000〜10,000円前後です。

カウンセリングの内容と流れ

カウンセリングはまず、カウンセラーが相談者との信頼関係を築くところから始まります。そして徐々に悩みを深掘りしていき、その悩みが解決されるよう導いていきます。

以下で初期・中期・後期とそれぞれの段階ごとに、詳しい内容を解説します。

初期(信頼関係を築く)

カウンセラーはまず、相談者との信頼関係を築くため、ふだんの生活や現在の悩み事などについて、ゆっくりと対話をしていきます。

相談者の閉ざされた心が開き、安心して悩みや自分の思いを打ち明けられるよう、相談者の気持ちに寄り添いながら話を聞いていきます。

中期(悩みを深掘りする)

初期を経てカウンセラーと相談者は、次第に悩み事について深く掘り下げます。カウンセラーは相談者の今までの人生や、それによって形成された人間性についても観察して分析します。

相談者が抱える悩み事や問題に対して、相談者自身がどのように変わりたいかや、変わる気持ちがあるかなどを洞察することで、問題解決にむけた糸口を探すのです。

そして問題を解決するための行動や考え方などを、相談者と一緒に考えながら答えに導いていきます。

後期(解決に向かう)

相談者がカウンセラーに導かれながら問題解決に向かうことができたら、そこがカウンセリングのゴールです。その後は、相談者がカウンセラーと離れて再び日常生活に戻っても、正常な精神状態で暮らしていけるように引き続きかかわっていきます。

相談者が再び同じような状況下において、精神状態が悪化したり自己否定したりすることのないよう、カウンセラーは相談者の自己肯定感を強めるための対話を増やします。

相談者が自分の考え方の癖を理解し、それを克服できるよう、カウンセラーがサポートしていくのです。

カウンセリングで得られる効果

カウンセリングで得られる効果には、主に次の4つがあります。

心が軽くなる

自分が抱えている悩みを第三者に打ち明けることで、背負っていた重い荷物を下ろしたときのように、心がすっきりと軽くなります。

悩みを身内や知人にはなかなか打ち明けられなくても、カウンセラーになら話せるという方は少なくありません。

また、カウンセラーに話を聞いてもらい共感してもらうことで、気持ちの整理ができたり心のつかえが取れたりして、塞ぎ込んでいた方も少しずつ楽になります。カウンセリングによって心が軽くなれば、前へ進むための自信が生まれ、問題解決へのきっかけとなります。

抱えている悩みや問題が整理される

悩みを言葉にすることで自らの置かれている状況が整理でき、問題についても理解しやすくなります。漠然と抱えている悩みをカウンセラーに話すことで、「何が原因で悩んでいるのか」や「問題の本質は何なのか」が自分の中で整理されていくのです。

また、悩みの原因や問題の本質が明らかになることで、悩みや不安の解消、あるいは問題の解決につながります。

自分の考え方の癖に気付ける

カウンセラーに自分の悩みを相談することで、自分の考え方の癖を理解できます。

過去の出来事に対してどう思ったのかなどをカウンセラーと一緒に振り返ることで、自分が知らず知らずのうちに行っている思考の癖に気付きます。

落ち込んだり自己否定したりするような自分の考え方の癖を理解できると、今後同じような状況下でマイナス思考に陥ったとしても、落ち込んでいる原因は考え方の癖によるものだと気付けます。

自分の考え方の癖が分からないままでは、落ち込んでいる原因が分からず自分をただ責めてしまうだけかもしれません。自分の考え方の癖を知ることで、意識的に物事を前向きに考えられるようになるでしょう。

自己肯定感や自信が持てるようになる

カウンセリングを受けることで、自己肯定感が生まれ、その後の生活においても自信が持てるようになります。カウンセラーは相談者の話をしっかりと聞き気持ちを受け止め、その後問題解決へ向かうにはどうしたらいいかを一緒になって考えます。

カウンセラーに導かれながら、問題が解決した経験や気持ちが整理できたという経験は、相談者の達成感や自信につながり、自己肯定感をもたらします。カウンセリング後の日常生活でも、自分の存在を認め尊重できるようになるのです。

カウンセリング受けるときのポイント

カウンセリングを受けるときに重要となるポイントとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、カウンセリングを受けるうえでの3つのポイントについて、詳しく解説します。

効果が出るまでに時間がかかることを理解しておく

カウンセリングの効果を感じるまでには個人差があります。

1回の相談で解決できる場合もあれば、カウンセリングによる心理療法が長期に及ぶこともあり、効果を実感できるまでにかかる時間は人それぞれです。

カウンセリングを長く続けていると、「本当に効果があるのか」「このまま続けたほうがいいのか」と不安に思うこともあるでしょう。ですが、短期間で効果が出なくても、カウンセリングを通して焦らずゆっくり自分と向き合うことが大切です。

自分のペースで進める

心に悩みを抱えていると話しにくいことが多く、カウンセラーとのコミュニケーションに不安を感じる方も多いです。

話す速度や話し方は自分のペースで構いませんので、何も気にすることなく思いを吐き出すことを心がけましょう。

カウンセラーは相談者の状況をくみ取り、理解してくれるため、会話をせかしたりすることはありません。マイペースにゆっくりで良いので、自分の思いを言葉にしてください。

カウンセラーとの相性を大切にする

カウンセラーも相談者と同じ人間です。そのため、心のうちを話すカウンセラーは、「相性が良い」「この人なら話せる」と感じた人を選びましょう。

もし、「カウンセラーとの相性が合わないかもしれない」と思った場合は、無理をしてそのままカウンセリングを続ける必要はありません。

カウンセリングに違和感を覚えたり、相手の言動で気になる点があったりすると、なかなか心を開けずカウンセリングがうまく進まない可能性があります。また、カウンセリングの回数が必要以上に多くなれば、精神的な不安が解消されないまま料金の負担が生じてしまいます。

そのような場合には思い切ってカウンセラーを変更したり、相談する場所を変えたりしてみてください。

悩みがある人もない人も!カウンセラーに心の負担を軽減してもらいましょう

一人で抱えている問題をカウンセラーに話すと、心の負担が軽減され前向きになれるかもしれません。また、カウンセリングは、明確な悩みを持っていない方でも受けられます。

日頃のストレスのはけ口になることもあれば、自分の考え方の癖を知ることができ、自己肯定感を強めることもできます。また、カウンセリングによって、自分の知らない一面を知ることができるかもしれません。

悩みの大小にかかわらず、カウンセラーは親身になってあなたの話を聞きます。カウンセラーはあなたの心が健康でいられるよう、カウンセリングを通してサポートをしてくれる心強い味方です。心の問題を一人で抱え込んでしまっている方は、一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。