心の悩みを抱えた人のサポートをするのが心理カウンセラーです。相手の悩みに応じて、優しく丁寧に寄り添っていきます。
そんな心理カウンセラーになってみたい方もいるでしょうが、「資格なしでは難しいのでは?」と考えている方が多いです。
そこでこの記事では、資格なしで心理カウンセラーとして活躍する方法を紹介します。くわえて、独学で取得できる資格についてもまとめていますので、心理カウンセラーを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
資格がなくても心理カウンセラーと名乗ることはできる
心理カウンセラーとして活躍する方の多くは、何らかの心理学やカウンセラーの資格を保有しています。
しかし、資格取得は必須ではないため、資格がなくても、心理カウンセラーと名乗ってカウンセリングを行っても問題ないのです。
心理カウンセラーは、医師や弁護士のように資格がなければ活動ができないと法律で明記されているわけではありません。このため、今すぐに「心理カウンセラー」という看板を掲げて相談を受け付けても、法律的な責任は問われないのです。
実際に心理カウンセラーに関する資格を保有せずに活躍する方も一定数おり、資格を持っている方に負けず劣らず業界で活躍しています。
ただし、資格を持たないことで、集客面などで不利になってしまう面もあるため、デメリットもある点は理解しておきましょう。
就職するには資格が必要
資格なしで「心理カウンセラー」と名乗ることはできますが、就職したい場合、資格なしでは難しいのが実情です。
法人によっては、心理カウンセラーを募集する際、臨床心理士や公認心理師の資格取得を条件としていることがあります。
病院の心理カウンセラーや学校のスクールカウンセラー募集でも「臨床心理士求む」となっているケースが多いです。このように、無資格では応募すらできないこともあります。
資格なしでカウンセラーとして活躍するには
資格なしで心理カウンセラーとして活躍するには、どのような手段を取ればいいでしょうか。具体的な方法がいくつかありますので、ここから詳しく見ていきましょう。
民間のカウンセリング施設で経験を積む
資格なしで心理カウンセラーになる方法の一つとして、民間のカウンセリング施設に就職することがあります。
もちろん、資格がないのですから、就職したからといって、いきなりカウンセラーの仕事を任されることはありません。最初は事務職や受付業務などをすることになり、その過程で専門のカウンセラーがカウンセリングしている状況を見守ることになります。
しかし、これらの経験を積むことで、心理カウンセラーの仕事がどのようなものかを、おおよそ把握できるでしょう。直接業務に携わることで、先輩カウンセラーの作業を通じて、コツもつかめます。
そうして経験を積んでいった結果、簡単なカウンセリングの仕事を任される可能性もあります。
話し相手サービスのカウンセラーになる
話し相手サービスとは、電話で相手の話を聞いてあげるサービスのこと。相手の悩みや心の不安を、電話を通して聞きながら、癒やしを与えたり、ストレスを解消したりしていきます。
話し相手サービスの利用者は、主に悩みの相談が多いですが、中には職場や家庭で起こった愚痴を話したい方もいます。このため、さまざまな話を聞くことができ、人の話を丁寧に聞くというカウンセラーにとって大切なスキルが養われます。
この経験とスキルが、やがて心理カウンセラーになったときに役立ちます。
独立・開業してカウンセラーとしての実績を積む
かなり思い切った方法になりますが、資格なしの状態でいきなり心理カウンセラーとして独立・開業をする方法もあります。経験や資格なしのまま独立・開業する人は少ないですが、できないわけではありません。
独立・開業に先立って、カウンセリングのやり方やスキルは習得しておく必要はありますが、開業時点で高い技術を持っていなくても大丈夫です。
相談相手とのカウンセリングを通じて、経験を積みましょう。
ただし、独立・開業ともなると、カウンセリングスキルだけでなく、宣伝、集客、経営のノウハウも身に付けておかなければいけません。学ぶべきことも多く、ハードルは高いです。
資格なしで活動している人は分野を特化している場合が多い
資格なしで心理カウンセラーとして活動している人の多くは、特定の分野に絞ってカウンセリングを行っています。分野を絞らずに活動してしまうと、勉強する内容が多くなってしまい、競合のライバルとの差がなかなか縮められません。
また、専門的な分野にだけ集中すれば、その分野の知識も深くなり、細やかで丁寧なカウンセリングができるようになります。
具体的な分野としては、恋愛、受験、美容、子育てなどです。実際に多くのカウンセラーが、資格なしで活躍しています。
独学で取得できる心理カウンセラーの資格
資格なしでも心理カウンセラーは始められますが、やはりスキル向上のためにもカウンセリングに関連する資格を取得することをおすすめします。
また、心理カウンセラーの資格はいろいろありますが、資格の種類によっては、大学や大学院で心理学を学ばなければ受験できないものもあります。そうなると、これから心理カウンセラーを目指す人には、取得が難しい資格も少なくありません。
そこでここでは、独学で取得できる心理カウンセラーの資格に絞って紹介します。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会が実施している民間資格です。正式名称を「JADP認定メンタル心理カウンセラー資格」といいます。
教育、医療、福祉、産業といった分野でのカウンセリング能力を検定する資格で、メンタルケアの基本的な資格といってもよく、心理学やカウンセリングの基本、心の病気についての知識が問われます。
学習内容には、自分自身のメンタルケア、コミュニケーションなども含まれるのが特徴です。自他ともに健全なメンタルになるように導いていきます。
受験資格は、一般財団法人日本能力開発推進協会が指定する認定教育機関(資格のキャリカレ)などで、教育訓練の全カリキュラムを修了することです。
受験は自宅で可能で、受験料は5,600円(税込)となっています。(2022年7月現在)
上級心理カウンセラー
上級心理カウンセラーも、一般財団法人日本能力開発推進協会が実施している資格です。メンタル心理カウンセラーの上位資格にあたります。
この資格を持つことで、より高度な知識・技術でカウンセリングに臨み、クライアント(相談者)の悩みや心の不安に寄り添うスキルがあることを証明できます。
受験資格はメンタル心理カウンセラーと同じですが、履修内容がより高度で実践的になっているのが特徴です。
メンタル心理カウンセラーと同様に、特定の教育訓練の受講が必要で、心理療法の基礎知識や、カウンセリングの運営、クライアントの対応について学んだ後に、受験資格が得られます。
上級心理カウンセラーも試験自体は自宅で受験可能で、受験料は5,600円(税込)です。(2022年7月現在)
メンタルケアカウンセラー
メンタルケアカウンセラーは3つの認定組織からなる資格です。認定組織はメンタルケア学術学会と一般財団法人生涯学習開発財団、一般財団法人ヘルスケア産業推進財団です。
メンタルケアカウンセラーの資格取得により、心理学の基礎知識と円滑なコミュニケーション能力を取得したことが証明されます。学習内容としては、カウンセリングの基本や心の病気、自分自身のストレスマネジメント、コミュニケーションなどがあります。
メンタルケアカウンセラーには試験はありません。代わりにメンタルケアカウンセラー講座の一定レベルでの修了が必要です。
講座の内容は、メンタルケアカウンセラー資格と文部科学省後援こころ検定4級、3級に対応したもので、心理学の基礎知識が学べます。メンタルケアカウンセラーの資格申請料は5,100円(税込)です。(2022年7月現在)
心理カウンセリングスペシャリスト
心理カウンセリングスペシャリストは、一般社団法人日本能力教育促進協会が認定する資格です。この資格も他の資格と同じように認定機関が行う講座を受けた後に資格を取得できます。
講座では、プロのカウンセラー養成講座や、大学で学ぶ心理学の知識の重要部分だけを分かりやすくまとめた内容を習得できます。
受験資格は、認定教育機関「formie(フォーミー)」のオンライン講座を受講し、カリキュラムを修了していることです。
在宅でいつでもWeb受験ができ、合格すると資格認定証が2〜3週間後に送られてきます。また、受験料は講座費用に含まれているので、別途支払う必要はありません。
ケアストレスカウンセラー
ケアストレスカウンセラーは、一般財団法人職業技能振興会が認定する資格です。精神疾患の基礎知識、精神疾患の疑いがある人への対応方法、ストレスマネジメントなどを学ぶ資格になっています。
受験資格は18歳以上のみで特別な条件はなく、受験料は10,000円(非課税)です。
独学で受験する方法と、通信講座で試験を受ける方法が用意されています。独学の場合は全国220以上の会場のいずれかで受験し、通信講座の場合は在宅受験も可能です。
自分にあう方法で心理カウンセラーを目指しましょう
現在、第一線で活躍されている心理カウンセラーの方は資格を保有していることが多いです。しかし、資格なしでも心理カウンセラーになることができないわけではありません。
資格なしでも活躍している人はいます。特に、分野を特化して活動している人は、深い知識を身に付け、丁寧なカウンセリングを行うことによって、数多くのクライアントから信頼を得ています。
資格なしで心理カウンセラーになるのは簡単ではありませんが、実績を積んだり、プラチナサポーターアカデミーのような安価な学習コンテンツで学び、少しずつカウンセラーへの道を切り開いてみてください。