「信頼できるカウンセラー」と聞いて、あなたはどんな人を想像しますか?
また、信頼されるカウンセラーになるためには、どのようなスキルや経験があると良いのでしょうか。
この記事では、「クライアントから信頼されるカウンセラーになりたい」「信頼できるカウンセラーを探したい」と思っている方に向け、そのヒントをお伝えします。
具体的な資格についてや、カウンセリングの料金、そしてカウンセリングの技法など、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
信頼できるカウンセラーとは
まず、「信頼できるカウンセラー」とはどのようなカウンセラーなのかを知ることが大切です。ここでは、信頼できるカウンセラーの条件について見ていきましょう。
訓練と経験を積み、スキルと資格を持っている
信頼できるカウンセラー選びの基準としてまず「訓練と経験を積んでいる」「スキルと資格がある」という点があげられます。
特に、資格を保有しているカウンセラーであれば、専門知識を学んだことが分かります。さらに、臨床心理士や公認心理士といった難易度の高い資格を保有しているカウンセラーは尚更、信頼度が高まります。
ただし、日本では資格がなくてもカウンセリングを行うことが可能です。そのため、中には経験やスキルがないままカウンセラーを名乗り、クライアントに対して高額の金銭を要求するといったトラブルが見受けられることもあります。
クライアントの秘密を守り、倫理観を持っている
カウンセリングでは、なかなか人には話せないプライベートな問題や悩みについて話す機会が少なくありません。
そのため、資格や経験のほかにも、クライアントから得た秘密を守る義務感とクライアントを私的利用しない倫理観を持っているのかといった点も重要です。
例えば、人には聞かれたくない話をするにもかかわらず、カウンセリングをする場所がカフェや喫茶店などであれば、プライバシーに配慮したカウンセラーとはいえないでしょう。
また、カウンセリングの前に守秘義務などに関する同意書があり、クライアントに確認をして同意を取っているかどうかも重要なポイントです。
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信頼される・信頼できるカウンセラーのポイント
信頼される・信頼できるカウンセラーには、7つのポイントがあります。
- 取得難易度の高い資格を保有している
- 心理学の大学院を修了している
- 倫理規定を定めている職能団体や学会に入会している
- 相場のカウンセリング料金である
- 科学的根拠がない技法を用いていない
- クライアントの感想を大々的に掲載していない
- 根拠不明な案件数や改善率、経歴を記載していない
それぞれ詳しく解説します。
取得難易度の高い資格を保有している
資格の有無だけで「信頼できるカウンセラー」であるとはいいきれませんが、前述のとおり取得難易度の高い資格を取得しているカウンセラーは、それだけ知識が豊富であるという一つの指標にもなります。
特に、臨床心理士や公認心理士などといった、一般に取得難易度が高いといわれている資格保有者であれば、信頼しやすい、あるいは信頼されやすいでしょう。
また、こういった資格を取得しているカウンセラーは、医療や教育、福祉などの公的機関でも採用されやすくなるため、幅広い分野で活躍できます。
心理学の大学院を修了している
カウンセラーとして働くためには、心理学や人間行動学の理論に関する基礎知識を心得ている必要があります。さらには、刷新され続ける心理学の知見を得ていることも大切です。
心理学専門の大学院を修了しているということは、カウンセラーとして必要なそれらの学問を学んでいる証拠となりますので、カウンセラーの学歴も確認しておく必要があります。
倫理規定を定めている職能団体や学会に入会している
倫理規定を定めている職能団体や学会に入会していることも、信頼される・信頼できるカウンセラーとして押さえてておくべきポイントといえます。
職能団体とは、定められた資格を保有している人が集まった団体のことであり、臨床心理士であれば「日本臨床心理士会」、医師であれば「日本医師会」などが該当します。
カウンセラーの中には、臨床心理士の資格を取得している方も多く、その多くは「日本臨床心理士会」に所属しています。職能団体に所属することによって、専門家同士のネットワークが繋がるだけでなく、相互監視という側面もあります。
また、職能団体には倫理委員会があり、非倫理的な行為をしたカウンセラーに対して処罰を下すこともできます。
相場のカウンセリング料金である
日本でのカウンセリング料金の相場は、1時間あたり5,000〜15,000円です。
カウンセリング料金にはこのように平均相場があり、信頼できるカウンセラーであれば、相場に見合った料金でカウンセリングを行います。
相場よりはるかに高い、もしくは相場よりも安すぎる価格設定がされているカウンセラーには注意が必要です。
特に、相場よりはるかに高い価格設定にしているカウンセラーは、不当に料金を搾取している可能性も考えられます。反対に、相場より価格が低い場合は、スキルや経験が足りないのかもしれません。
科学的根拠がない技法を用いていない
科学的根拠に基づいていない技法を用いているカウンセラーも注意が必要です。心理学は科学の一領域であり、それをベースにした科学的根拠に基づいた技法がカウンセリングです。「エビデンスベースド」といわれ、ある程度の効果が保証されています。
一方で、スピリチュアル系の技法には科学的根拠がありません。カウンセラー本人以外には分からない部分が多々あり、誰にでも分かる根拠を示せないところが問題です。
「なんとなく、あたっている気がする」「パワーを貰えている気がする」といったことで、気分が良くなるかもしれませんが、根本的な解決には至りません。
クライアントの感想を大々的に掲載していない
クライアントの感想を大々的に掲載していないことも、信頼される・信頼できるカウンセラーの条件の一つです。
Webサイトなどに、「お客さまの声」が掲載されることは、多くの業種でよくあることですが、カウンセリングの場合は、倫理的な観点から見ると歓迎されません。
例えば、「医療広告ガイドライン」には、カウンセリングに利用者の体験談を掲載しないように記載されています。カウンセリングの効果には個人差があるため、掲載することで誇大広告となってしまう恐れがあるためです。
もちろん、カウンセリングは医療行為ではありませんが、こういったガイドラインを遵守することが倫理的とされています。そのため、カウンセリングを行ったクライアントの声を大きく載せているカウンセラーには注意が必要です。
根拠不明な案件数や改善率、経歴を記載していない
根拠不明な案件数や改善率、経歴を記載していないという点も、信頼できるかどうかのポイントとしてチェックしておきたい部分です。
Webサイトなどに、案件数や改善率を記載する例は、さまざまな業界でよくある宣伝手法です。しかし、根拠が不明瞭な案件数や改善率の実績を鵜呑みにしてしまってはいけません。
特に、「改善率99%以上」のような謳い文句は、根拠がなく、真偽が分からないため注意が必要です。
また、「同じ病気や悩みの経験がある」といった言葉を掲載しているカウンセラーにも気をつけましょう。なぜならば、同じ病気を抱えていて似たような悩みを持っていたとしても、一人一人で感じ方や解決方法、必要としているサポートが異なるためです。
信頼できるカウンセラーの探し方
それでは、信頼できる良いカウンセラーはどうやって探せばいいのでしょうか?ここでは、カウンセラーの探し方について詳しく解説します。
精神科医に紹介してもらう
もし、精神科医にかかっているのであれば、主治医に紹介してもらうのがおすすめです。精神科医とカウンセラーの繋がりは強く、精神科クリニック、メンタルクリニック、精神科病院などに受診しているのであれば、主治医にカウンセラーを紹介してもらいましょう。
クリニックや病院内にカウンセラーがいる場合もあり、同じ病院内に精神科医とカウンセラーがいれば連携もしやすいため、患者にとっても安心材料となります。
また、カウンセラーを目指す方にとっても、学会などに積極的に参加して、精神科医と深い繋がりを持てるようにしておき、いざというときに連携を取れるようにしましょう。
公的機関に相談してみる
信頼できるカウンセラーを探すためには、行政などの公的機関に相談し、紹介してもらう方法も有効です。
各自治体にある福祉相談や保健所をはじめ、精神保健福祉センターなどでは、悩み相談をすることもできます。
行政・公的機関の中には、カウンセラーに関する情報を持っているほか、カウンセリング機関と提携していることもあります。然るべきカウンセラーを紹介してもらうことができるため、一度相談してみることもおすすめです。
信頼度の高い資格名で直接検索する
信頼度の高い資格名で、直接検索することもおすすめです。個人名ではなく、資格名で検索した場合、職能団体が運営するWebサイトを見つけられます。
例えば、臨床心理士を検索した場合には、「日本臨床心理士会」が運営するWebサイトが見つかります。職能団体のサイトを見れば、その団体に所属しているカウンセラーが登録されていることが分かるでしょう。
ただ単に名前が登録されているというだけではなく、クライアントの対象者や技法なども掲載されているため、自分に合ったカウンセラーを見つけやすいです。
信頼できるカウンセラーのポイントを事前に押さえよう
カウンセラーは職業名であるため、資格がなくとも名乗ることができます。
だからこそ、信頼できる良いカウンセラーを見つけるためには、難易度の高い資格を取得していることや職能団体に入会していること、適切な料金でカウンセリングを行っていることなどを目安に判断してみてください。本記事で紹介したポイントをチェックしてから、カウンセリングを受けることをおすすめします。
また、クライアントから信頼されるカウンセラーになりたいと考えている方も、ポイントを自身で確認し、自分が条件に当てはまっているかどうか、まずはしっかり確認するところからはじめてください。