メールカウンセリングに興味があり、副業や開業を検討している方にとって、「メールカウンセリングの具体的な仕事内容を知りたい」「始め方がわからない」という方は多いのではないでしょうか?
メールカウンセリングには、対面式のカウンセリングとはまったく異なった特徴があります。
この記事では、メールカウンセリングの特徴と仕事内容、メリットや必要な資格、相談内容などについて詳しく解説します。
メールカウンセリングについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
メールカウンセリングとは
カウンセリングと聞くと「クライアント(相談者)と対面して話を聞く」とイメージをする方が多いかもしれません。
しかし、メールカウンセリングでは、クライアントと対面することなく、メールを通じた文章のやり取りのみで悩み相談に応じます。直接話すのが苦手な方でも、気軽に相談しやすいことが魅力です。
カウンセラーにとっても、時間をかけてゆっくり答えられるメリットがあり、内容によってはメールカウンセリングのほうが落ち着いてやり取りできるケースもあります。
メールカウンセラーの仕事内容
メールカウンセラーのおもな仕事内容は、クライアントからメールで送られてきた悩みに対して、回答することです。
メールで回答する際には、アドバイスを与えることよりも、悩み解決のサポートをすることを重視します。
クライアントの相談内容は、心の問題や人間関係の悩みなどさまざまです。クライアントが抱えている悩みに対して、その答えをクライアント自身から引き出す手助けをする仕事といえばわかりやすいでしょう。
また、メールカウンセラーの仕事で重要なのは「傾聴力」です。実際に耳で「聞く」わけではありませんが、クライアントが書いた文章をじっくり読みこみ、クライアントの伝えたいことを十分理解したうえで回答しなければいけません。
そして、クライアント自身の中から答えを引き出してあげる必要があります。
メールカウンセリングの特徴
メールカウンセリングは、クライアントが相談しやすいのはもちろん、カウンセラーにとっても、手軽に始めやすいというメリットがある仕事です。
ここでは、メールカウンセリングのおもな特徴を紹介します。
隙間時間でカウンセリングできる
メールカウンセリングの魅力は、隙間時間にカウンセリングができることです。カウンセリングルームに足を運ぶ必要がなく、オンラインで対面する時間や、電話をかける必要もありません。
また、対面カウンセリングやオンラインカウンセリング、電話カウンセリングでは、急用ができたときにキャンセルする必要がありますが、メールカウンセリングではいつでも時間ができたときに相談を受けられるため、スケジュールに気をつかう必要はありません。
パソコンを使う必要もなく、スマホだけでも対応できます。「仕事や家事、育児の合間にちょっと相談をしたい」「忙しくてカウンセリングを受ける時間がない」という方にも、便利な相談方法です。
伝えたい内容をじっくりと考えられる
伝えたい内容を、じっくり考えられるのもメールカウンセリングの特徴です。
対面やオンライン、電話でのカウンセリングでは会話形式になるため、次々に話を進めなければならず、伝えたい内容をまとめきれないこともあります。
特に話をするのが苦手なクライアントにとっては、伝えたいことをうまく話せないまま終わってしまう可能性もあります。
一方で、メールでカウンセリングであれば、クライアントは事前に伝えたい内容をしっかりと考えたうえで相談できます。内容の整理もでき「これだけは伝えておきたい」といったことも盛り込むことが可能です。また、不必要な内容は省くこともできるでしょう。
クライアントにとってもカウンセラーにとっても、情報をうまく整理して伝えられるという点が、大きなメリットの一つです。
カウンセリング内容をあとから見返せる
メールカウンセリングが終わったあと、クライアントと話した内容や回答を見返せるのも大きなメリットです。
カウンセリングのお互いのやり取りが文面に残るため、簡単に見返すことができます。
対面では「録音をする」という方法もありますが、録音したものを耳で聞きなおすより、文章で書かれた文面を見返すほうが理解しやすいです。
見返しが簡単であれば、いい指導を受けられたときにその内容がしっかり頭に入り、実践しやすくなります。
日々の変化に気づきやすい
メールカウンセリングでは、日々の変化にも気づきやすいです。
クライアントとのメールのやり取りが残るため、クライアントの心がどのように変遷していったのかを追うことができます。人の心の状態は一定ではないので、変化を追うことはとても重要です。
「ここまでこのように経過をたどったから、今度はこれを聞いてみよう」と次回の話の内容もスムーズに決められます。
また、メールカウンセリングでは対面よりも時間を気にせずに多くやり取りができるため、さらに日々の変化を追いやすくなるでしょう。
メールカウンセリングを選ぶメリット
カウンセラーとして副業や独立を考えるとき、あえて「メールカウンセラー」の仕事を選ぶことにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、メールカウンセリングを選ぶメリットについて紹介します。
メリット1. 集客がしやすい
カウンセラーにとって、いかに集客できるかは悩みの一つですが、メールカウンセリングでは比較的集客がしやすいといわれています。
なぜなら、メールカウンセリングは誰でも気軽に利用でき、始めるハードルが低いからです。
もちろん、集客に向けての努力は必要ですが、SNSやブログを活用した宣伝、スキルマーケットへの出品などで、ある程度の集客効果が望めます。
また、無料で何通かのメール相談を受けて、そのあとに本相談に結び付ける集客方法もあります。特典を設けることで、クライアントが集まりやすくなるでしょう。
メリット2. カウンセリングルームが必要ない
メールカウンセリングを行うにあたって、カウンセリングルームは必要ありません。
パソコンかスマホがあれば、いつでもどこでも気軽にクライアントの相談に乗れます。通勤や移動も不要なため、費用や時間を節約できます。
一方、対面カウンセリングでは、カウンセリングルームの確保が必須です。レンタルする場合は賃料や光熱費を支払わなければいけません。自宅にカウンセリングルームを設ける場合でも、家具、レイアウトなどに気をつかうでしょう。
手間やコストを抑えながら収入を得られることは、メールカウンセリングの大きなメリットといえます。
メールカウンセリングで副業・開業する方法
メールカウンセリングで副業や開業を考えている方のために、具体的な方法を解説します。
集客がしやすいメールカウンセリングですが、副業や開業をする場合はいくつか押さえておきたいポイントがあるのでチェックしておきましょう。
メールカウンセリングで副業する方法
メールカウンセリングで副業をする場合、インターネット検索で求人から申し込む方法と、自己集客する方法の2つのパターンがあります。
まず、インターネット検索で求人から申し込む方法では、「メールカウンセラー」「メール相談」という用語で検索をしてみます。
採用条件として「要資格」となっているものもあれば、無資格の場合は「研修あり」となっているものもあります。
メールカウンセラーの雇用形態は業務委託がほとんどなため、研修費用は自己負担になる場合が多いです。それぞれの募集要項をよく確認してから応募するようにしましょう。
また。、自己集客する方法では、SNSやブログなどを活用します。TwitterやInstagram、Facebookなどが、カウンセラーの集客方法としてよく使われています。
自分のカウンセリングの強みや自分自身のことなどをSNSやブログを使ってしっかりとアピールしましょう。
自己集客と聞いて「大変そうだな」と感じるかもしれませんが、集客はメールカウンセラーとして成功するために重要なことですので、工夫して多くのクライアントを集めましょう。
関連記事:カウンセラーとしてフリーランスで活躍するには?方法、手順を解説
メールカウンセリングで開業する方法
メールカウンセラーとして開業する場合、個人事業主として収入を得るために、開業届を税務署に提出する必要があります。
会社設立とは違い、開業届を提出するだけで個人事業主になれるため、メールカウンセラーとしての収入が安定して増えてきたら、開業届を出しましょう。
メールカウンセラーとしての収入を増やすには、次のポイントを押さえてください。
- 効率的な集客を行う
- 集まったクライアントに具体的な口コミや感想を広めてもらう
- 口コミや感想から新規顧客を広げる
- リピーターやファンを増やす
メールカウンセラーとして高収入を得ることは簡単ではありませんが、地道に集客活動を続けていくことが大切です。
また、自身のカウンセラーとしてのスキルアップも常に心がけましょう。
関連記事:カウンセラーとして独立開業!方法やメリット、資格の有無を解説
メールカウンセリングで必要な資格
メールカウンセラーの仕事は、資格なしでも始められます。対面カウンセラーのような資格がなくてもまったく問題はありません。
ただし、クライアントの中には、資格を保有していないカウンセラーが相手だと不安を感じる方もいるかもしれません。心理カウンセラーの勉強をして、何らかの資格を取得したほうが、集客がしやすくなり、仕事の幅が広がるでしょう。
また、資格はスキルや経験の証明にもなります。クライアントからの依頼や業務委託も、資格があると受けやすいです。
取得が難しい資格は必要ない
メールカウンセリングでは、臨床心理士や公認心理士など、取得が難しい資格は必要ありません。
これらの資格は、学校や病院などのカウンセラーであれば取得したほうが有利ですが、メールによる相談は難しい資格がなくても対応できます。
メールカウンセリングでは日常の悩み相談がメインとなるため、民間スクールで取得できる資格がおすすめです。民間資格は比較的難易度が低く、取得しやすくなっています。
例えば、一般財団法人 日本能力開発推進協会が認定する「メンタル心理カウンセラー」は、指定の通信講座の受講を修了し、資格試験に合格すれば取得できます。
特に、カウンセラーとしての知識がまったくないという方は、資格取得のための勉強をすることで、カウンセラーとしての知識やスキルが身につきますので、積極的に資格取得を目指しましょう。
関連記事:資格なしで心理カウンセラーとして活躍する3つの方法
メールカウンセリングで多い相談内容
メールカウンセリングでは、具体的にどのような相談内容が多いのでしょうか?
ここでは、メールカウンセリングでよく取り扱われている相談内容について見ていきましょう。
1. 恋愛に関する悩み
メールカウンセリングでは、恋愛に関する相談が多いです。例えば、以下のような相談内容があります。
- 片思いをしている
- もてない
- 付き合い方がわからない
- 恋愛が長続きしない
など
恋愛相談には、軽めの悩みから比較的重い悩みまでさまざまなケースがあります。
中には深刻に悩んでいる方もいるため、クライアントの気持ちに的確に答えられるように対応する必要があります。
2. 夫婦や恋人に関する悩み
夫婦や恋人に関する悩みごとの相談もメールカウンセリングによく寄せられます。例えば、以下のような相談内容です。
- 恋人から振られた
- 夫あるいは妻が不倫している
- 夫婦げんかが絶えない
- 離婚を切り出された
- セックスレス、性生活
- 嫁姑関係
- DV
メールでの相談とはいえ、どれも扱いが難しいデリケートな問題のため、よく考えて返答しなければいけません。
クライアントの状況をしっかりと把握してクライアントの気持ちに寄り添い、適切なサポートをする必要があります。
3. 仕事に関する悩み
仕事に関する悩み相談をメールカウンセリングで行う方も多いです。例えば、以下のような相談内容がよく見られます。
- 職場の人間関係、上司との関係
- 仕事環境
- セクハラ、パワハラ、いじめ
- 待遇が悪い
- 転職
- 仕事にやりがいが見いだせない
メールによる仕事相談では、状況の見極めが難しいため、丹念なメールのやり取りで情報収集していくことが大事です。
クライアントが今後どうしたいのか、どうすれば解決するのかを、クライアント自身から引き出せるような対応を心がけましょう。
4. お金に関する悩み
お金に関する悩みをメールカウンセリングで相談する方もいます。内容としては、以下のようなものです。
- お金がない
- 給料が低い
- 借金がある、借金が返せない
- 将来が不安
- 貯金ができない
メールカウンセラーはお金の専門家ではありませんが、相談を受けた場合はクライアントが満足できるよう、サポートする必要があります。
根本的なお金の問題はカウンセリングでは解決しませんが、今後どうすればいいのかをともに考えることで、クライアントの精神的な負担を軽減させたり、今後のお金との付き合い方を考えなおすきっかけにしたりすることはできるでしょう。
5. 家族に関する悩み
家族に関する悩みを抱える方も多く、メールカウンセリングでも主要なテーマになっています。具体的には、以下のような相談事例があります。
- 親の束縛
- 干渉
- 親の世話
- 子供が不登校、ひきこもり
- 育児疲れ
- 子供の発達に関すること
- 親子関係
家族に関する悩みの中には深刻なものもあり、メールでの回答は簡単ではないため、慎重に問題への対処法を検討する必要があります。
内容によっては、メールカウンセラーの手に余ることもあるはずです。そのような場合には、信頼できる対面カウンセラーや他の相談窓口を紹介できるように、情報収集を行っておきましょう。
メールカウンセリングは始めやすい仕事
カウンセリングの種類はさまざまですが、中でもメールカウンセリングはパソコンやスマホだけで簡単に始めやすい仕事です。
難しい資格は必要なく、カウンセリングルームを準備しなくても始められます。集客がうまくいき、いい口コミが広まれば、さらに認知度も上がります。
これからメールカウンセリングで副業や開業を検討している方は、この記事で紹介したポイントや注意点を押さえて、ぜひ成功につなげてください。