ブランディングは、企業やサービスをライバルと差別化する上で非常に重要な概念です。特にマーケティングの領域で活躍したいなら必須知識と言っても過言ではありませんが、専門性が高いだけに、上手く学習が進められない方も多いでしょう。
ブランディングの勉強に役立つ本の選び方
まずは、ブランディングの本を選ぶ時のポイントを解説します。
- 著者の実績・信頼性
- 内容のクオリティ
- 実例の有無
- 現在も通用するトレンド・ノウハウ
- レビュー・評価
本はそこまで高額ではありませんが、だからこそ選択肢が多い側面もあります。自分に合ったものを見つけられるよう、ぜひ参考にしてください。
著者の実績・信頼性
ブランディングに関する知識を得る際、著者の経歴や専門性は非常に重要です。実際に現場で成功を収めた経験があったり、ブランディングの教育・研究に長く従事していたりする人物が書いた本の方が、より実践的な知識を学べるでしょう。
昨今はSNSやインターネットで簡単に著者の経歴が調べられるので、欠かさずにチェックするのがおすすめです。
内容の網羅性
ブランディングは幅広いトピック・領域の知識が必要になります。基本的な概念から応用スキルまで押さえなければならないため、できる限り網羅性が高い本を選んでみてください。
ただし、ゼロ知識の状態から多くを学ぼうとすると、頭の整理が追い付かずに勉強が身につかない可能性もあります。したがって、「幅広い知識が得られる一冊」と「学びたい範囲に特化した一冊」をそれぞれ用意しておくのも効果的です。
実例の有無
ブランディングの理論だけでなく、著者が経験した事例や実例が詳しく書かれているかどうかも重要なポイントです。机上の理論が実際のビジネスシーンでどのように適用され、どんな結果を生むのかを理解すれば、より深くブランディングが学べるでしょう。
現在も通用するトレンド・ノウハウ
ブランディングの業界は、新しいメディアや技術の影響を受けて常に進化しています。そのため、最新情報・トレンドを取り入れた本を選んだ方が、より現場で役立つノウハウを吸収できるでしょう。
特に、出版日の確認は情報の鮮度を確かめるのに最適です。最近のトピックが詳しく解説されているかを確認してみてください。
レビュー・評価
他の読者や専門家からのレビューを確認することで、より具体的に本のクオリティが判断できるはずです。特に、TwitterなどのSNSは脚色や編集がないありのままの意見を調べられます。
本の名称や著者名で検索して、自分のニーズに合っているかどうかを判断してみてください。
ブランディングの勉強におすすめの本8冊
ここからは、ブランディングの勉強におすすめの本を8冊見ていきましょう。
いずれも初心者に役立つ知識を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
ブランディングの基本
参照:Amazon
安原智樹氏が書いた「ブランディングの基本」は、ネット社会とブランディングの関係性やマーケティング・プロモーションの違いなどを体系的に学べます。
出版日はやや古い印象ですが、肝心の内容は現代においても有用。中古なら数百円で購入できる点も大きな魅力です。
ブランデッドエンターテイメント お金を払ってでも見たい広告
参照:Amazon
ブランディングにおいても重要な役割を担う「広告」を深掘りした良書です。広告を活用した新たなブランディング手法を解説しており、マーケティング担当から広告制作者など、幅広い層に役立つ内容となっています。
デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール
参照:Amazon
本書は、ブランディングの知識習得に役立つ新たな教科書として話題になっています。時代に応じた顧客体験の変容や、企業と顧客との接点を深掘りし、新時代のブランド戦略を体系的に説明しています。
chapter1~5を読み終えるころには、一段階上の知識が身についていることでしょう。
ブランディングの教科書 ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる
参照:Amazon
著者は外資系コンサルファームと広告会社の一線で活躍していた人物です。Amazonの「広告宣伝」「消費者主義」ランキングでは1位を獲得しており、実戦的なノウハウが学べます。
ただし、本書は比較的マーケティングに特化した内容です。企業ブランディングなどは別の本も参考にしてみてください。
ブランド再生工場
参照:Amazon
やや古い本ですが、ブランディングの根本を勉強するには最もおすすめできる書籍の1つです。基礎的な知識を学んだ後は、具体的な事例を交えてノウハウを吸収し、最後のセクションで「自分自身をブランディングしてみる」という実践テストに移ります。
順を追いながらシンプルに学べる構成みなので、初心者にも分かりやすい難易度に仕上がっています。
「変える」は会社の毎日のお仕事 成功し続ける企業のリブランディング戦略
参照:Amazon
成功を掴んだ企業が軒並み実践してきた「イメージ戦略」を深掘りして学べる書籍です。時代のトレンドにブランドイメージを合わせる「リブランディング戦略」も解説しており、トヨタにローソン、アウディといった大手の成功事例がこの一冊で押さえられます。
ブランディングの科学[新市場開拓編]
参照:Amazon
P&Gなどの大手に影響を与えた良書を、より「新市場開拓」に特化して再解説した本です。著者の実体験も交えつつ、信頼性の高いエビデンスを用いた事例・ノウハウは、初心者だけでなく、一定以上の経験を持ったプレイヤーにも役立つでしょう。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
参照:Amazon
2023年時点で30万部を超えるロングセラーを叩き出した本書は、成功を収めた企業の戦略を「ストーリー」に見立てて解説しています。著者は一橋大学ビジネススクールの経営学者。初の単独書籍ながら、非常に良質な内容が学べる一冊です。
ブランディングを本で勉強する時の注意点3つ
最後に、ブランディングを本で勉強する時の注意点を3つ解説します。
いずれも重要なポイントなので、ぜひ参考にしてください。
理論と実践のバランスが重要
ブランディングの本には多くの概念が詰まっています。各書を網羅的に読み込めば、机上の理論はしっかりと身につき、同業者との話にもついていけるようになるでしょう。
ただし、いくら座学が100点であっても、実技で100点を取れなければ何の意味もありません。副業でも良いので、まずは現場に身を投じ、本で学んだ内容をしっかりアウトプットしてください。
業界ごとの特性を考慮する
ブランディング戦略は、業界や市場、地域によっても大きく異なる可能性があります。たとえば、テクノロジー企業のブランディング戦略は、食品企業やファッションブランドとは違ったアプローチが必要です。
したがって、本を選ぶ前に「自分がどの業界に参入するか」を明確にし、その領域に合ったノウハウが学べる書籍を探しましょう。
ブランディングの勉強は本以外の媒体も組み合わせよう
本記事では、ブランディングの勉強におすすめの8冊や選び方、注意点を解説してきました。ブランディングは専門用語や知識が多く、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
しかし、今回触れた書籍はいずれも知識ゼロから学べる良書です。そして、本で学んだ知識をコミュニティやセミナーでアウトプットすることにより、さらに深い理解が得られるでしょう。