副業を始めたい、または検討しているという方の中には「動画編集を副業にしたい」「動画編集の始め方が分からない」と思っている方も多いのではないでしょうか?
近頃は若者のテレビ離れが進み、YouTubeの需要が高まっているため、動画編集に関する仕事の需要も急増しています。
そこでこの記事では、副業で動画編集をするメリット・デメリットから、副業を始める方法を詳しく解説します。動画編集の副業を始めようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
動画編集の副業とは?
一言に「動画編集」といっても、仕事の種類はさまざまです。撮影された動画に対して音声やテロップを入れるだけの仕事もあれば、企画や動画の構成から携わる仕事もあります。
一般的には、すでに撮影された動画の編集をすることが多いですが、クライアントが希望する条件によって、仕事内容や報酬は異なります。
動画編集の副業はいくら稼げるのか
動画編集は人気の副業ですが、実際に副業を行っている人はどの程度稼げているのでしょうか?
合同会社ケーエス代表でカメラマンの長谷川 敬介さんが行った「動画編集の副業はいくら稼げる?」というアンケート調査では、100人中74人の平均月収が5万円未満という結果でした。
5万円以上稼いでいる方は26人おり、1名は50万円以上稼いでいます。
4人に1人が、5万円以上稼げているということは、動画編集は一般的なアルバイト程度、もしくはそれ以上に稼げる可能性があることが分かります。
また、動画編集を副業として選んで良かった点として「好きな時間・隙間時間にできること」「上達・スキルアップが楽しい」という声がある一方、副業での悩みや不安として最も多かったのが「編集の技術力」と「時間の確保」でした。
副業で動画編集する場合の仕事内容
それでは、動画編集の副業とは、具体的にどのような仕事内容なのでしょうか?ここでは、副業で動画編集をする際の仕事内容や種類について解説します。
YouTuberが撮影した動画の編集代行
動画編集としてイメージしやすいのは、YouTubeの動画編集です。昨今、YouTube市場は急速に成長しており、多くのYouTuberやYouTubeチャンネルが誕生しています。
YouTubeに注目しているのは個人のYouTuberだけでなく、さまざまな企業が自社商品のPRやブランディングのために参入しており、YouTubeの動画編集へのニーズはますます高まっています。
具体的な仕事内容は、映像素材の切り貼りやテロップ・BGMの挿入などです。これらの動画編集の相場は1本あたり3,000〜5,000円となっています。テロップ入れのみであれば、1本1,000円程度しか報酬はありません。
一方で、動画の企画や構成から動画編集まで一貫して動画作成に携わる仕事であれば、報酬は1本20,000~50,000円と一気に引き上がります。
ただし、いきなり高額な仕事を受注するのは難しいため、まずは動画編集のみの仕事をこなしていき、スキルアップしていくにつれ高単価の仕事の受注を目指しましょう。
イベントで上映するムービーの作成・編集
企業主催のセミナーやイベントの仕事であれば、クライアントが企業になるため、単価はあがります。1本20,000~40,000円程度が相場です。
ただし、企業は個人よりも、「企業のブランディングを損なわないか」「コンプライアンス上の問題がないか」などチェックする点が多く、求められる質も高いです。
それでも、企業からの案件を継続受注することで安定した高収入につながるため、企業主催のセミナーやイベントの案件を多く受注できるようになれば、ライバルとも差をつけられます。
また、企業以外での依頼であれば、ウェディングムービーなどの仕事があります。
高度な編集スキルが求められるため、難易度は高いですが1本10,000円が相場です。依頼人の大切なライフイベントに携わるため、やりがいも大きいでしょう。
イベントで上映するムービーでは、撮影もセットで依頼されるケースもあり、撮影機器や撮影に関する知識を身に付けられれば、さらに仕事の受注がしやすくなります。
商品やサービスのPR動画の作成・編集
PR動画は、企業の商品やサービスをどのように見せれば動画視聴者に良さが伝わるか、購買につなげられるかを考え、動画を構成・編集するスキルが求められます。
撮影や音響など、各分野ごとのプロが集結して一緒にプロジェクトを行うことが多く、動画編集のスキル以外にも、各部門との調整やコミュニケーションなどのスキルが必要となります。
上級者向けの仕事となるため、単価は1本あたり数十万円以上が多く、PR動画の仕事を多く受注できるようであれば、生活に必要なお金を十分稼げます。
ここまでのスキルがあると、現在の仕事を辞めて、動画編集で独立することを考える方も多いです。
動画編集の副業を始める準備
では、実際に副業で動画編集を始めるための準備について紹介します。動画編集に必要なスキルや機材、勉強方法などについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
動画編集の副業に必要なスキル
スキル | 内容 |
テロップ作成 | タイトルや字幕を入れるスキルです。配置や配色を意識して作成します。どの動画編集でも必要になる基本的なスキルです。 |
カット | 発注者から渡された映像の不要な部分を切り取るスキルです。発注者の意図や指示内容を正確に把握し、適切な部分をカットします。 |
BGM・効果音作成 | 動画にBGMや効果音を挿入します。シーンにあった音楽の選定・音量調整などが求められます。 |
カラーグレーディング | カラーを調整して、映像の雰囲気を決定します。クライアントがどのような雰囲気の動画にしたいかを把握し、動画を作成します。 |
音響 | 音声を聞き取りやすくしたり、ノイズを除去します。 |
動画編集を行ううえで最低限、身に付けておくべきスキルとなり、仕事によっては企画力や撮影能力も求められます。
動画編集の副業に必要な機材
機材 | 内容 |
パソコン | CPU:Core i7、メモリ:16GB(できれば32GB)、SSD:256GB以上のパソコンが動画編集に向いています。パソコンのスペックにより動画編集のクオリティや作業にかかる時間が大きく異なります。 |
動画編集ソフト | AdobePremiereProを使う方が多いです。 |
撮影機材 | 撮影も含めて依頼される仕事では、カメラや照明、三脚などが必要です。 |
副業で動画編集を始めるにあたって、パソコンと動画編集ソフトは必須となります。
最初から全てをそろえようとすると費用が高額になるため、副業が収益化できるにつれて機材を充実させましょう。
動画編集を勉強する方法
動画編集を勉強する方法には、独学・スクール・通信講座で勉強するという3種類の方法があります。
独学は費用を節約できますが、ひとりでは難しい場合も多く、分からないことを誰にも聞けないというデメリットがあります。
一方、スクールであれば短期間でスキルをマスターできるというメリットがある反面、費用が高い点や、時間が拘束される点がデメリットといえます。
費用を安く、かつ時間を拘束されない勉強方法を求める方は、通信講座がおすすめです。近頃の通信講座には、講師による動画講座なども充実しており、講師にあとから質問ができる講座もあるため、スクールに近い講義を受けられます。
動画編集の副業で稼ぐ方法
動画編集のスキルが身に付いたら、実際に動画編集の副業を始めてみましょう。ここでは、実際に動画編集で稼ぐ方法についていくつか紹介しますので、自分にあった方法を選んでみてください。
クラウドソーシングサイトで仕事を探す
副業を始める際に仕事を見つける王道の方法は、クラウドソーシングです。仕事を外注したいクライアントと、仕事を受けたいワーカーが多数登録しており、お互いを結び付けるプラットフォームの役割を果たしています。
コンペのように、クライアントが応募している案件に複数のワーカーが申し込むものもあれば、タスクをこなすことで誰でも報酬が得られるものもあります。クラウドソーシングは、まだ経験が少ない方でも仕事を受注しやすいです。
また、クライアントは登録しているワーカーの実績を確認できます。そのため、実績を重ねるほど信用が大きくなり仕事を依頼されやすくなります。
最初は誰でも募集できる低単価な仕事を引き受け、実績がついてくれば高単価の仕事に応募して稼ぐ額を増やしましょう。
有名なクラウドソーシングサービスは以下の通りです。
・CrowdWorks(クラウドワークス)
・Lancers(ランサーズ)
・coconala(ココナラ)
・Craudia(クラウディア)
副業OKの求人に応募する
映像制作会社などには、副業やWワークの求人を募集している会社があります。求人募集というと正社員や本業の採用をイメージしがちですが、最近では副業の求人募集も増えています。
業務委託という雇用形態になりますが、継続的な付き合いができ、単価もクラウドソーシングと比較すると高い傾向にあります。
ただし、動画編集の会社にアルバイトとして採用される場合は、本業の会社にバレる可能性が高いです。そのため、本業の会社が副業を禁止していないことを、まず確認しておきましょう。
関連記事:副業がバレない方法はある?バレる理由やタイミングも解説
SNSで営業をして仕事をもらう
少し上級者向けですが、SNSを通して営業をかける手段もあります。例えば、好きなYouTuberに対して、「動画編集を委託させてください」と直接メッセージを送るなどの方法です。
クラウドソーシングではすでに募集がかかっている仕事に対して応募するのが基本ですが、この方法は自分から積極的に提案をします。
今までの実績や自分に依頼した際のメリットなどを伝えてアピールしましょう。そうすることで、憧れているYouTuberの動画編集に携われるかもしれません。
また、クラウドソーシングでは運営会社に手数料を引かれた額が報酬になりますが、SNSを通じて直接契約をした場合は、手数料がかからないため受け取れる報酬はそのぶん多くなります。
人脈や紹介を利用して仕事をもらう
知り合いや友人に自分が動画編集をしていることを伝えておくと、思わぬところから声がかかる場合もあります。
クラウドソーシングやSNSを利用していない企業から声がかかれば、ライバルが少ないため報酬も高く設定できます。ただし、人脈や紹介だけでは安定した収入につながらないため、他の方法と並行して行いましょう。
動画編集を副業にするメリット
動画編集を副業にすることには、さまざまなメリットがあります。ここでは、具体的なメリットを紹介します。
初心者でも始めやすい
動画編集は初心者でも比較的始めやすい副業です。動画編集を外注したい企業は多いため、編集スキルさえ身に付けば、仕事の受注がしやすいです。
また、動画編集はYouTubeなどのSNS市場が急成長する中、人手が足りていません。そのため初心者でも仕事の受注がしやすくなっています。
まずは難易度が低いYouTubeの動画編集から始めましょう。
個人でも稼ぎやすい
動画編集は個人で稼ぎやすい副業です。パソコンと編集ソフトがあれば、どこでも作業できます。
また、仕事から帰宅したあとや休日などの空いた時間に作業しやすいため、副業としては理想的な仕事だといえるでしょう。
スキルや経験が身に付く
動画編集は、数をこなすほどスキルと単価が伸びます。動画編集を始めて1カ月の人と3年の人ではスキルや単価の差は歴然です。
スキルが磨かれるほど報酬が高い仕事を受注できるようになり、やりがいも生まれます。
飲食店などでアルバイトをしても、スキルアップによる時給アップはさほど見込まれませんが、動画編集では分かりやすく単価があがります。
また、動画市場規模は今後も拡大が見込まれます。将来性のあるスキルを身に付けられるのも、動画編集を副業でするメリットです。
時間や場所の融通が効きやすい
動画編集は、平日の早朝や仕事終わりにカフェで作業をしたり、旅行先で対応することも可能です。
独立して映像編集をしている人の中には、世界中を旅しながら仕事をする、いわゆる「ノマドワーカー」もいます。動画編集は、自由度の高い仕事といえるでしょう。
ただし、副業として行う場合は本業とのバランスが大切です。仕事を受注しすぎて、本業以外の時間を副業に追われてしまい体調を崩してしまう人もいます。無理のない範囲で副業をしましょう。
動画編集を副業にするデメリット
ここからは、事前に知っておきたいデメリットについて紹介します。
パソコンや編集ソフトなどの機材が必要
動画編集を始めるにあたって必要な機材は、基本的にパソコンと動画編集ソフトの二つですが、パソコンはハイスペックなものだと20万円以上かかります。
すでにパソコンを持っている人であれば、初期投資費用はほぼかかりませんが、パソコンの購入が必要な場合には別途費用がかかります。
単価が高い案件は専門的なスキルが必要
副業するのであれば、「単価が高い仕事を受注したい」と考えるのは当然のことです。ただし、高単価の仕事は求められるスキルも高くなります。
動画編集のみでなく、企画や構成能力、ときには各専門部隊をまとめる統率力も必要になります。まずは低単価の案件から始め、スキルを身に付けてから徐々に単価をあげていきましょう。
低単価の仕事をこなすところで諦めてしまうと、先々、報酬の高い案件を獲得できる可能性を潰してしまいます。最初は安い単価にめげずに、とにかく数をこなしましょう。
動画編集を副業で始める際によくある質問
最後に、副業で動画編集を始める際によくある質問について紹介します。
動画編集の副業は在宅やリモートでできる?
動画編集はほとんど全ての仕事が在宅やリモートでできます。自宅やカフェで仕事をしている人も少なくない副業の一つです。
動画編集の副業を始めたら確定申告は必要?
1月から12月に副業で稼いだ所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。所得とは収入から経費を差し引いた額です。
所得が20万円以下の場合、所得税の納税は必要ないですが、住民税は副業の所得額にかかわらず納税が必要のため注意が必要です。
関連記事:副業で納める住民税は?申告方法、申告しないとどうなるかを解説
副業を会社にバレないようにするには?
副業が会社にバレる原因は、「住民税」です。確定申告を行う目的は、所得税を確定させることですが、 同時に来年の住民税の額も決まります。
住民税は、前年の所得に応じて翌年の納める額が決定します。
本業で勤めている会社が従業員に代わって収めますが、会社内の同じ年収の人と比較して、明らかに納付する住民税が高いと、会社から疑われてしまい副業がバレてしまうのです。
会社にバレるのを避けたい場合は、確定申告の際の書類に「住民税を自分で納付する」にチェックを入れることで、住民税を自分で納付できるため、会社に副業がバレにくくなります。
ただし、対策をしたとしても、会社にはなんらかの形でバレる可能性があります。会社にバレて本業を失ってしまっては本末転倒ですので、事前に許可を取っておくことをおすすめします。
動画編集のメリット・デメリットを理解して副業を始めまよう
動画編集は、YouTubeの人気により仕事の需要が高く、初心者でも始めやすい副業です。「本職の給与に満足できない」「将来的に独立をしたい」という方にとっては魅力的な副業といえます。
ただし、動画編集のスキルが必要となるため、初心者の場合はスクールや通信講座などでスキルを身に付けることをおすすめします。
動画編集を副業にするメリット・デメリットを理解したうえで、これを機にぜひ始めてみてください。