コーチングは、ビジネスからプライベートまで幅広く活用され、需要が高いことから副業としても大変人気です。
そして、昨今は「教育コーチング」も徐々に広まっており、実際に子供たちの学力向上や志望校入学を支援しています。
目次
教育コーチングとは
まず「コーチング」とは、特定の対象から悩みや希望を引き出し、そのゴールの達成をサポートする手法を指します。すでに海外では数十年前から導入されており、有名スポーツ選手や企業の役員、ハリウッドスターも活用するほどです。
そして、志望校合格や偏差値向上といった「学生特有の目的」に対応したジャンルが「教育コーチング」であり、近年は保護者や学校、学習塾でも取り入れられています。
ちなみに、コーチング全般については以下の記事でも解説しています。より理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事:コーチングビジネスとは?始め方や進めるうえでの注意点を解説
教育コーチングが重要視される背景
子供たちの教育を進めるなら、これまで通り学校や学習塾があれば問題ないように思えますが、現代社会ではやや不十分かもしれません。
ネットワークの発達に伴い、情報の多様化は拡大する一方。ゆえに、将来の選択肢も広がっており、近代の子供たちには「自分で判断する力」「自分で学習する能力」が問われているのです。
教育コーチングの3要素
【学習コーチングの3要素】
- 傾聴
- 質問
- 承認
学習に限らず、コーチング全般でとても重要なポイントなので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
傾聴
一般的な学習で学生から質問があった場合、基本的には「答え」や「解き方」を教えてあげれば問題ありません。
しかし、カリキュラムなどの「進め方」に関する部分はこまめな対応が難しく、学生の悩みや不満を聞いてあげることは困難です。
コーチングを受けた学生は、目的に向けた最短ルートのカリキュラムを自分自身で組み立てられるので、どちらがより成績を伸ばせるかは一目瞭然でしょう。
質問
通常の学校では、学生に対して問いかける際、つい問い詰めるような形になりがち。
たとえば、宿題をやってこなかった子供に対しては「なぜやってこなかった?」という「詰問」になりやすく、意図せずして問い詰めてしまうのです。
一方、コーチングは宿題を忘れた学生に対して「なぜ忘れたか」ではなく「宿題ができなかったのはなんでだろう?」と共に考える姿勢を崩しません。指導する立場としてある程度俯瞰しつつ、常に同じ目線で学習を進めるのです。
また、オープンクエスチョンにすることで、学生は冷静かつ主体的に思考する余裕が持てます。
承認
学校や学習塾によっては、学生に対して否定的な意見を伝えるケースもありますが、コーチングは学生を基本的に承認します。
ただし、不用意に甘やかすのではなく、以下のように特定の目標に向かって「承認しながら誘導する」ことが重要。
【課題を提出させたいとき】
- コーチ「課題の締め切りは明日だけど、どうかな?」
- 学生「半分は終わりました」
- コーチ「そうか!半分は終わってるんだね!それなら締め切りも大丈夫そうだね!」
- 学生「はい。この後やろうと思っています」
- コーチ「素晴らしい!不明点があればいつでも聞いてね」
上記のように、ただ「やれ」と押し付けるのではなく、認めてあげるスタンスがコーチングの原則です。何かトラブルがあっても、まず承認を行うことでスムーズに目標まで到達できるでしょう。
学習コーチングのメリット3つ
ここからは、学習コーチングのメリットを3つ解説します。
いずれも重要なポイントなので、ぜひ参考にしてください。
自習の習慣が身につく
学習コーチングは、勉強方法や答えだけを教えるのではなく、学習に対するマインドや効率的な計画策定のサポートを行います。すなわち、学生は自習が基本なのです。
ある程度ベースの学力を身につける必要はあるものの、学習コーチングをうまく活用すれば、自発的に計画を練って自習できる習慣が身につくでしょう。
個別でカリキュラムを最適化してもらえる
学習コーチングは、ただカリキュラムを組むのではなく、毎日進捗を確認して適宜オンライン指導を行います。
さらに、進捗や学生の適性などを考慮した上でカリキュラムを微調整し、課題も再設定してもらえるので、学習塾や学校よりも効率的に学べるでしょう。
副業にもピッタリ
働く側にとってのメリットになりますが、学習コーチングは副業にも大変おすすめです。店舗や材料費などは一切必要ないため、体とスマホがあればゼロ円起業が可能。
オンラインで完結する点も大きな魅力であり、実績を積んでいけば子育て世帯に向けたセミナーなども開催できます。
学習コーチングのデメリット
学習コーチングは、需要の拡大にともなって事業者の数も増えてきています。そのため、競争率がやや高く、たとえコーチとしてデビューしてもクライアントに恵まれる保証はありません。
そして、もう一つの手段は資格を取得して専門性を身につけること。一見すると難しそうですが、努力次第で誰でも達成できるので、さっそく次章で詳細を見ていきましょう。
学習コーチングにおすすめの資格3選
ここからは、学習コーチングにおすすめの資格を3つ解説します。
今後コーチとしてデビューしたい方は、ぜひ参考にしてください。
また、コーチング自体の勉強方法を知りたいなら、以下の記事もチェックしておきましょう。
関連記事:コーチングの勉強方法とは?4つの方法と目的別の学び方を解説
認定教育コーチ
一般社団法人日本青少年育成協会が認定している「認定コーチ」は、勉強に勤しむ学生と関わるすべての方に役立つ知識が身に付きます。
基本的なスタンスやコミュニケーション方法を提供しており、レベルや意欲に合わせて10種類のコースに分かれているのも魅力的。学習コーチングの入門編として大いに役立つでしょう。
国際コーチ連盟(ICF)認定コーチ資格
国際コーチ連盟(ICF)が認定しており、世界中に30,000人以上の会員が存在するほどのメジャーな資格です。詳細なコースは以下3種類に分かれているので、出願条件などをよく確認してから受験しましょう。
- ICF認定資格アソシエート認定コーチ(ACC)
- ICF認定資格プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
- ICF認定資格マスター認定コーチ(MCC)
日本コーチ連盟認定コーチ
一般社団法人日本コーチ連盟が認定している資格であり、保有していれば一定以上のコーチング技術を証明することができます。
ただし、受験するには同団体の「日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータ」に合格する必要があり、「日本コーチ連盟コーチアカデミー専科心理専修プログラム初級コース」も修了しなければなりません。
学習コーチングの副業を始める時の注意点2つ
ここからは、学習コーチングの注意点を2つ解説します。
副業として取り組む方だけでなく、今後子供たちの学習に導入を検討している方もぜひ参考にしてください。
学力も必要
学習コーチングは、カリキュラムを策定して学生の勉強をサポートするのがメイン業務となるため、当然一定以上の学力が必要です。
少なくともコーチングする学生を上回っているのが理想であり、もし水準が満たないと学習塾に切り替えられてしまうリスクがあります。
学習コーチングを希望する保護者は、非常に真剣な目でコーチの質をチェックするはずなので、学歴や取得した資格などはいつでも提示できるようにしましょう。
セールス・集客スキルも必要
どれだけ優秀なスキルや学歴を持っていても、クライアントを獲得するにはセールス・集客ノウハウが必要不可欠です。
昨今はインスタやTwitter、YouTubeと様々な媒体が存在するので、少しでも見込み客の目につくようなコンテンツを発信してみてください。
学習コーチングは副業にもおすすめの選択肢
本記事では、学習コーチングの概要やメリット・デメリット、おすすめの資格なども解説してきました。
学習コーチングは、志望校合格や偏差値向上といった目標に対して、最短ルートで臨みたい学生に大変重宝します。
また、スモールスタートできる上に、オンラインですべて完結することから、副業を始めたい方にもおすすめといえるでしょう。