コーチング研修の導入を検討されていませんか?コーチングのことを漠然と理解していても、それを研修として導入するとなると、効果や費用、手順などがどのようなものかよくわからないかと思います。
そこでこの記事では、コーチング研修のメリットと導入の手順、料金相場やおすすめのコーチング研修を詳しく解説します。コーチング研修について興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
コーチング研修とは?目的やメリットを解説
まずは、コーチング研修の目的やメリットを解説します。
そもそもコーチングとは
そもそもコーチングというのは、コミュニケーションを通して、目標の達成をサポートしていくことです。このときにコーチは相手に自主的な行動を促します。
コーチには、相手が潜在的に持っている答えや姿を引き出し、相手の能力を発揮させつつ、成長を促していくスキルが求められます。そのため、コーチは自分から直接的なアドバイスをすることはなく、相手の自主的な問題解決を目指します。
また、このような性質を持っているため、相手が自発的に取り組まない場合は、問題が解決することはありません。いかに相手の素質やモチベーションなどを引き出すかがカギになります。
コーチング研修の目的・メリット
コーチングを行うためには、高度で幅広い知識と技術が必要になります。独学では限界があるため、実践を行いながら研修を受けることが重要です。
実際にコーチング研修を受けると、上司が部下に対して一方的に指示を出すようなやり方が減り、上司、部下双方のスキルアップを実現します。また、コーチングはコーチ側の上司だけでなく、受け手の部下にも心構えやスキルが求められます。
コーチング研修であれば、上司、部下両方の勉強ができるため、独学での勉強よりもはるかに効率が良いです。
コーチング研修の実施で期待できる効果
ここでは、コーチング研修の実施で期待ができる効果について詳しく解説していきます。
- 管理職やリーダーのマネジメント能力アップ
- 上司と部下の良好な関係性を構築できる
- メンバーのスキルや能力のアップ
- 職場でのコミュニケーションの改善
- 組織パフォーマンス最大化と生産性の向上
効果を確認し、あなたの職場で活かせるものかどうか確認してみてください。
管理職やリーダーのマネジメント能力アップ
コーチング能力を身に付けると、相手のことを理解したうえでサポートすることが可能になります。コーチングの能力は、管理職に就く人やCEOのような組織のリーダーにとって、非常に役立つスキルです。
例えば、自分がコーチングの知識を持っているのであれば、スキルを活かすことで、困っている部下が正しい選択をするためのサポートを行えます。
上司の中には、「部下とどう接すれば良いか分からない」という悩みを持っている人もいますが、コーチングスキルを身に付けることで、自分なりの接し方を身に付けられるでしょう。
上司と部下の良好な関係性を構築できる
コーチング研修を行うことで、上司と部下の良好な関係性づくりも行えます。コーチングの基本はコミュニケーションであり、正しい距離感を測りながら、関係性の構築を行うことも可能です。
社内でコーチング研修を実施し、部下と適切なコミュニケーションを取っていくと、先輩と後輩や上司と部下の関係性を高め、今まで以上の信頼を生みます。
先輩と後輩という立場では、どうしても関係に壁ができてしまいやすいです。見えない壁は不安、不満、憤りなどを生むため、双方にとって強いストレスに成長していってしまいます。
ストレスが大きくなると日常の業務にも影響を与えかねません。そこでお互いのストレスをなくすためにも、コーチング研修は非常に効果的です。
メンバーのスキルや能力アップ
コーチング研修を行うと、コミュニケーション力、共感力、観察力などの能力を育めます。これらの能力は仕事をはじめ、建設的にコミュニケーションを進める能力や計画力、目標達成力、問題解決力などにも応用できます。
特にコミュニケーション力は、社内だけでなく取引先とのやり取りなど、あらゆる場面で活躍してくれます。そのため、コーチング能力を身に付けることは、社内メンバーのスキルアップにもつながるのです。
職場でのコミュニケーションの改善
良い職場という考え方のひとつに、「先輩後輩関係なしに、互いのことを尊重し合い、自分のスキルを存分に発揮できる環境」というものがあります。
そんな職場環境もコーチング研修を通じて、作っていくことも可能です。コーチングの考え方として、お互いの立場は基本的にフラットであるというものがあります。したがって、必然的に距離感が近くなるため、会話が発生しやすい環境が生まれるのです。
職場のコミュニケーションがうまく取れていないと悩みを抱えている場合は、解決の一手としてコーチング研修を導入してみてください。
組織のパフォーマンス最大化と生産性の向上
職場の雰囲気が良くなると、メンバーひとりひとりの生産性が向上し、その会社の利益として現れてきます。また、パフォーマンスを最大化するためには、チームの連携能力を高めることも重要です。
これまでに紹介してきましたように、職場内のコミュニケーションの改善に、コーチング研修は非常に役立ちます。個々のパフォーマンスのアップだけではなく、シナジーを生み出すためにもコーチングを活用しましょう。
最後に、ひとりだけでは、会社にはさほど影響はないですが、周りの人を巻き込んで、コーチングを波及させていくことで、組織の総合力向上につながるため、効果は倍増していきます。
コーチング研修の内容と料金相場
続いてこの章では、コーチング研修の具体的な内容やその料金相場について、詳しく解説していきます。
コーチング研修の特徴や内容
コーチング研修は社内のメンバーで行ったり、コーチング資格を有している専門家を迎えて、解説をまじえながら実施したりします。
研修の内容としては、コーチングの内容についての座学研修を行ったり、コーチングを行うときや受けるときの心構えの研修を行ったりします。
また、何度もコーチング研修を行っている場合は、ケースごとの実戦形式のシミュレーションが多めに組まれることも多いです。
コーチング研修の種類やコース
コーチングの研修には目的に応じたさまざまな種類やコースが用意されているケースが多いです。具体的には以下のような研修の種類があります。
- コーチングの基礎について
- コーチと受け手の心構えの研修
- 個人のコーチング技術の向上やスキルについての研修
- ロールプレイを織り交ぜた実践的なもの
- 面談形式でのマンツーマンの研修
- 営業やマネジメントなど社外で活用するコーチング研修
職場内でのコーチングスキルの習熟度によって、最適なコーチング研修の内容は変わってきます。コーチングの知識が浅い方が多い場合は、基礎が学べる研修、ある程度知識が付いている場合は、実践的な研修など、状況に応じて選択することが大切です。
コーチング研修の費用・料金相場
コーチング研修の平均的な費用は以下の通りとなっています。
プラン | 料金 |
公開講座:3時間 | 15,000円 |
公開講座:1日 | 50,000円 |
講師を呼ぶ場合:半日 | 100,000円 |
講師を呼ぶ場合:1日 | 150,000円 |
この値は平均であるため、研修を行う会社や講師によって大きく変動します。また、料金も一律である場合から、人数によって変動する場合まで幅広いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
コーチング研修導入の際に大切なポイント・注意点
実際にコーチング研修を行う前に、確認しておきたいポイントと注意点がいくつかあります。これらを確認しておかないと、コーチング研修を行っても思ったような効果がでない可能性もあります。ぜひコーチング研修を導入する前に確認しておいてください。
コーチングの基本はプラス思考
コーチングは基本的に相手の情報を理解して、長所を伸ばすことになります。指導や教育を行っていると、どうしても短所に目が行きやすいです。短所を見つけると「どうしてできないのか」「自分ならできるのに、なぜできないのか」と、感情的になり部下を叱ってしまうことも多いでしょう。
そのためコーチングを行うときには、常にプラス思考で長所を伸ばすことを意識してください。部下も長所が伸び、成果を上げることで、高いモチベーションを維持できます。
モチベーションが高い状態が続けば、自然と長所以外の能力も上がっていくため、プラス思考を意識し続けてください。
コミュニケーションを使い分ける
コーチングを行うときには、相手にあわせてコミュニケーションを使い分けることが大切です。コーチングを行う相手は人間であるため、ひとりひとり個性があります。そのため画一的なコミュニケーションを行っていても、上手に会話を行うことは難しいです。
相手の個性をしっかりと認め、考えている内容が伝わりやすいようなコミュニケーションを選択し、的確に使うことがコーチングでは大切です。コーチング研修を行ったとしても、コミュニケーションを使い分ける意識がなければ、効果的なコーチングは行えないため気を付けてください。
若手の育成だけでなく自己成長にもなる
コーチングは若手や部下の育成だけではなく、コーチングを行う上司自身の成長にもつながります。教える側もコミュニケーション能力やマネジメント能力など、さまざまなスキルが必要となるため、コーチングを意識することで、対人面での自己成長が行えるのです。
また、コーチングを行ううえで、事前にセルフコーチングを行いますが、これは自分のメンタルヘルスや問題解決に役立ちます。自分の課題や問題を解決することや、モチベーションの維持にもつながるため、コーチング研修は上司と部下両方に効果があります。
コーチングとティーチングは違う
コーチングと似たものにティーチングが話題に上がりますが、この2つは目的は一緒でも手段が違うため、区別しておかなければなりません。
コーチングは教えるということではなく、相手への問いかけによって、相手の中にある問題や課題の答えを引き出すことを目的としています。
一方で、ティーチングとは指導者からの一方的な教えで、会話のキャッチーボールというものはほとんどありません。
そのため、コーチングを行うのであれば、自分のやり方や「答え」を相手に押しつけてしまわずに、相手の意見を聞くことが大切です。その意識を忘れてしまうと、コーチングではなく、ティーチングになってしまうので、注意してください。
定期的にコーチング研修を実施する
一度コーチング研修を受けたからといって、コーチングスキルが身に付くということはありません。そのためコーチング研修は定期的に実施することが大切です。コーチングはコミュニケーション手法のひとつですが、もちろんコミュニケーションというのは、仕事以外の日常生活でも使います。
コーチング研修で学ぶことを実際の職場で実践し、そのフィードバックをコーチング研修で行うことにより、より効果的な学習のサイクルを構築できます。くれぐれも1回だけ実施して、放置することのないようにしてください。
コーチングする側も学びの視点を大切にする
コーチングは、コーチングを受ける相手だけが成長すると思われがちですが、そんなことはありません。前述のとおり、コーチングを行うことで上司もさまざまなスキルが身に付きます。
例えば上司は、「どんな問いかけをするかによって、相手の目標達成につながるのか」ということを思考することで、聞く力を鍛えられます。つまり、コーチングは決してシンプルな質疑応答の作業ではない、ということです。
相手との信頼関係を強固にしていくことで、コーチ自身もマネジメント力を高められるのです。
コーチング研修導入の手順
ここからは、コーチング研修を会社で実践する方法を見ていきましょう。実施する際のロードマップを5段階に分けてまとめています。
1. 目的や活用シーンをイメージする
コーチング研修を行おうかなと思っている人は、はじめにコーチング研修の目的をイメージしてください。「社内のコミュニケーション問題を解決したい」「若手の問題解決力を向上させたい」など、社内の課題を解決する目的を持つようにしましょう。
受講者と指導・育成対象者の関係性、会社の主要業務、課題など背景に合わせたコーチング研修を選んだり、研修を受けることで得られる効果などを考慮したり、シチュエーションを創造すると見つけやすいです。
目的を明確にせずにコーチング研修を行っても、明確なゴールが見えないため効果が半減してしまいます。大切な項目であるため、しっかりと協議しながら決定してください。
2. 研修の対象者を選ぶ
次にやってほしいのは、「研修の対象者を選ぶ」ということです。会社で、コーチング研修の目的に適した研修の対象者を選ぶ際には、コーチングスキルを実践するときのイメージを持つと良いかも知れません。例えば、それぞれの部署ごとに研修を受けるという形があります。
会社にあるたくさんの部署ごとにコーチング研修を受けることで、それぞれの部署の組織力の向上が見込めます。
さらに、大規模企業の場合は、部署の上司を集めることで、効率良くコーチング研修を行っていくことができます。このように、目的に即した対象者を選ぶことは、効率的にコーチング研修を行ううえで重要です。
3. 自社でやるか外部サービスを活用するか決める
対象者と目的が決まったら、次は「自社でやるか外部のサービスを利用するか」を決めてください。コーチング研修の形態は大きく分けて2種類です。
1つは自社のみで行う方法です。この場合、社内にコーチングスキルを有している方が必要になるため、いない場合はコーチング研修の質も落ちてしまう可能性もあります。
ですが自社で行うと、コーチング研修にかかるコストを抑えられるほか、時間の融通が利くというメリットがあります。
2つ目は外部のサービスを利用する方法です。自社のみで行う場合に比べ、コストがかかる反面、専門の講師による充実したコーチング研修を受けることができます。
さらに、定期的にコーチング研修を実施することで、社員たちの意識の高まり、会社の業績アップにもつながります。
4. 研修内容のテーマを決めて具体化する
仮に、外部サービスを利用をすることを選んだ場合、コーチング研修のテーマについては講師と綿密な打ち合わせを行いましょう。
ここで最初に決めたコーチングの目的が活かされます。コーチングの目的を達成できるようなテーマを設定し、より効果的な研修が行えるように準備してください。
5. 研修を実施したら効果測定をして振り返る
最後はコーチング研修を実施した後です。特にコーチングは研修後の職場での実践が重要になります。コーチング研修を行ったのならば、その後の変化などをアンケートなどで集計しましょう。
また、実際に職場でコーチングが行えているかを確認してください。コーチングが実践できているのであれば、その部署を評価してあげることも大切です。
おすすめのコーチング研修サービス
ここでは、コーチング研修サービスを実施している会社を紹介していきます。外部にコーチング研修を依頼しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社インソース
株式会社インソースは、業界大手の企業です。官公庁や民間など25,000以上の会社と取引をしてきた実績を持っており、講師派遣、公開講座、研修コンサルティング、WEB研修など幅広く企業を支援しています。
そのため、講座を受ける人にあった講座が見つけられ、会社や部署にあった形態にカスタマイズすることもできます。
料金: 公開講座1名あたり:1日 26,000円/半日 13,000円
※講師派遣、講義内容、期間などによって変動。公開講座は4名以上で実施可能
リクルートマネジメントスクール
リクルートマネジメントスクールは、過去3年間で80,000人、人材育成業界で50年以上の実績を持つ老舗企業です。
研修プランは、新人から社長まで幅広い人に対応した研修コースが魅力的で、主催者と受講者が使えるWEBシステムを導入しているため、申し込みから効果の分析まで行えるのが特徴です。
料金; 公開講座1名あたり:3時間15,000円(田町・梅田)/6.5時間 50,000円(田町)
ビジネスコーチ株式会社
ビジネスコーチ株式会社にはコーチングのプロが所属しており、高い質のコーチング研修を期待できます。完全オーダーメイドのカリキュラムが組める点が特徴で、1対1の相談や社内のコーチの育成などの支援も充実しています。
さらに、定期的な研修の開催や長期間にわたって、社内のコーチを育てたいという場合にも適しています。アプリを活用したコーチングクラウドもあるため、最後の最後までサポートしてもらえます。
料金; 1対1の導入ガイダンス実施の目安:400,000円~
コーチング研修を通して組織みんなの成長につなげましょう
コーチング研修はコスト以上にさまざまなスキルを習得できます。上司、部下どちらも心構えをし、事前にコーチングの概要や簡単な内容を共有しておくことで、コーチング研修をスムーズに進められるでしょう。
ぜひコーチング研修を行い、部内のコミュニケーションや問題解決のスキルを向上させてください。