この記事では、オンラインコーチングに関する情報からメリット・デメリット、効果を高めるためのポイントを解説します。

コーチ視点とクライアント視点の両方から解説しますので、これからコーチングを受けたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

オンラインコーチングとは

オンラインコーチングとは、Zoom、Skype、LINEなどのビデオチャットツールを使い、遠隔地でコーチングを行うことを指します。

そもそもコーチングとは、会話を通して相手の中から答えを引き出し、行動が起こせるようにするコミュニケーションです。したがって、コーチとクライアントが会話できる環境さえ整えられれば、場所やツールは選ばないため、オンラインとの相性が非常に良いといえます。

昨今ではインターネットによる通話サービスの品質が向上し、クライアントのニーズも多様化しているため、コーチングをオンラインで行うコーチが増えてきています。

関連記事:コーチングとは?ティーチングとの違い、やり方や効果を徹底解説

【コーチ視点】オンラインコーチングのメリット

オンラインコーチングには、オフラインのコーチングにはないさまざまなメリットがあります。ここではまず、コーチ側のメリットについて見ていきましょう。

場所を確保する必要がない

オンラインコーチングの大きなメリットの一つに、会場や事務所など場所を確保する必要がないという点があります。Zoom、Skype、LINEなどのビデオチャットツールを使えば、自宅など好きな場所でカウンセリングができるため、場所を確保する必要がありません。

クライアントのもとへ出向くための移動時間や交通費も不要になるため、経費を抑えることが可能です。対面のコーチングだと、遠隔地のクライアントとの面談は難しいですが、オンラインコーチングであれば全国各地のクライアントから依頼が受けられます。

他にも、深夜・早朝に仕事ができるなど、場所や時間、経費などの問題を抱えているコーチにとって、魅力的なポイントは多いです。

スケジュールを調整しやすい

オンラインコーチングであれば、スケジュールを調整しやすい点もメリットです。

対面コーチングの場合、オフィスの利用可能時間や会場の利用時間によって、時間や曜日の制限がかかることがあります。しかし、オンラインコーチングの場合、クライアントとの日程調整がつけば、深夜・早朝の時間帯や土日祝日でもセッションを行えます。

クライアントやコーチの中には、日中は別の仕事をしており、時間をつくることが難しい方も多いです。副業でコーチをする人であれば、なおさら土日に無理なく活動できるオンラインコーチングは助かるでしょう。

資料などのデータを共有できる

オンラインコーチングであれば、コーチングのセッション中に画像や動画などを送信できます。

コーチングを進めるうえで、画像や動画を活用するほうが、クライアントの理解度を高めやすいです。これにより、セッションそのものの生産性や効率も高まります。

通話ツールによってサービスは異なりますが、動画や画像を送ったり、WebサイトのURLを共有したりできるため、気軽に資料の共有ができるようになっています。

チャット機能が付いているものも多いため、知っておいてほしい情報をタイムリーに伝えることも可能です。

セッション内容を録音・録画できる

セッション内容を録音や録画することも、オンラインコーチングであれば可能です。セッション中にクライアントが聞き逃したことを、再度共有できたり、セッション後にコーチング内容を振り返ったりできます。

次回のセッションへの改善点を洗い出すこともでき、自分のコーチングスキルの向上にもつながるでしょう。

ただし、録音・録画する場合は、必ずクライアントの許可を得てください。クライアントのプライバシー問題にもかかわるため、無断での録音・録画は控えましょう。

また、Zoomなど一部のツールは、クラウドストレージ内に録画データを保存する機能があります。録画や録音を行いたい方は、ツールを決める前に録画機能を一度調べてみてください。

国内外を問わずクライアントとセッションできる

海外のクライアントとのつながりをつくり、セッションを行うことができる点も、オンラインコーチングのメリットです。

仕事の都合や家庭の事情で海外に住む人の中には、現地になじむことができなかったり、日本との慣習の違いに戸惑っていたり、悩みを抱えている人が多数います。

このようなクライアントの悩みも、オンラインコーチングなら少しずつ解決へ導ける可能性があります。SNSなどと連携を取りながら活動することで、住む地域を選ばずにセッションできる点は大きな魅力といえます。

【クライアント視点】オンラインコーチングのメリット

オンラインコーチングは、クライアント側にもさまざまなメリットがあります。次は、クライアント視点でのメリットを見ていきましょう。

時間や費用のコストが低い

オンラインコーチングは、場所代が不要であるため、対面のコーチングよりも費用を抑えられる点が大きなメリットです。また、目的地に向かう必要がなく、時間的なコストを削減できることも魅力的です。

自宅で通話を行う場合は、セッションの時間直前まで自由に時間を使うことができ、時間直前になったら指定された通話ツールを準備するだけですので、準備に必要な時間もほとんどありません。

SkypeやLINEの場合、通話が無料であるうえに音質も良いため、通話時間を気にせずセッションできます。

スケジュールを調整しやすい

休日や夜間でもセッションの申し込みができ、スケジュール調整がしやすい点もオンラインコーチングのメリットです。仕事や私生活が忙しい方の場合、日中に時間をつくれず、スケジュール調整が大変な場合もあるでしょう。

しかし、オンラインコーチングであれば、休日や夜間にコーチングをしているコーチも多いため、自分のスケジュールに合わせてセッションを組みやすいです。

セッション内容を復習しやすい

オンラインコーチングはお互いの同意がある場合、セッション内容を録画しているケースもあります。セッション内容を録音・録画している場合、後から見返して振り返ることができます。

隙間時間に見て復習に使うこともできますし、メモを取ることができず、せっかくのアドバイスを聞き逃してしまうということも防げます。

継続してコーチングを受ける場合は、次回のセッションまでに疑問点や質問をまとめておくこともできます。

落ち着いた環境でセッションできる

人見知りで初対面の人とコミュニケーションを取ることに抵抗がある人にとって、自分の部屋やふだん活動をする場所でコーチングのセッションを受けられるのは、非常に魅力的です。

対面でのコミュニケーションが苦手な人でも、インターネットを通してのコミュニケーションなら心を開けるという人も中にはいます。

また、コーチによってはチャットでのやり取りを受け付けている人もいるため、コミュニケーションのバリエーションも豊富です。自分が一番落ち着いた状態でコーチングを受けられることは、オンラインコーチングの大きなメリットの一つです。

関連記事:パーソナルコーチングとは?効果、料金、おすすめのサービスも紹介

オンラインコーチングのデメリット

ここまで、オンラインコーチングのメリットをお伝えしましたが、コーチとクライアント双方向にそれぞれの魅力があります。

しかし、オンラインコーチングにはデメリットもいくつかあります。対面コーチングとの違いも踏まえながら、その内容をぜひ参考にしてください。

ネット環境やネットに関する知識が必要

オンラインコーチングを行う場合、インターネットに関する知識が必要です。また、当然ですがインターネット環境や接続する機器がなければ、オンラインコーチングはできません。

会話を行うだけであれば、スマートフォンで対応できますが、セッションの資料づくりやツールの機能を満足に使いたい場合は、パソコンの用意が必要です。

本格的なツールを導入する場合を除き、対応できないほど難しい内容ではないですが、いきなりでは対応できない可能性もあるため、事前に必要な知識を身に付けておきましょう。

通信環境がセッションに影響する

通信環境が不安定な場合、途中で会話が途切れたりタイムラグが生じたりすることがあります。このため、自宅や事務所など、オンラインコーチングを行う場所の通信環境を確認し、整えておかなければなりません。

ZoomやSkypeなどのツールを活用する場合、通信環境が悪いとお互いの声が途切れたり、聞こえなくなったりするときもあります。

通信環境に不安が残る場合は、事前にテスト通話を行っておき、会話が満足にできるかを確認しておきましょう。もし、通話に問題があるときはインターネットの回線を他社に乗り換えたり、品質の良いものに変えたりして対策してください。

対面コーチングよりコミュニケーションの質が下がることがある

オンラインコーチングは便利な一方、対面でのコーチングに比べ、セッションの質が下がってしまう可能性があります。オンラインコーチングは、実際に顔をあわせて会話をするわけではないため、相手の表情やしぐさから伝わる空気感を察知しにくいのです。

また、オンライン通話に慣れていない場合、ふだんと違う環境に緊張してしまったり、会話が上手に聞き取れず、しどろもどろになってしまったりする可能性もあります。

オンラインコーチングの効果を高めるポイント

オンラインコーチングの効果を高めるために、具体的にどんなことができるでしょうか。ここでは、「ネットの通信環境を整える」「集中できる環境でコーチングに参加する」「遠慮せずにコーチを活用する」の3つについて詳しく紹介します。

ネットの通信環境を整える

もし、ビデオ通話時に会話が途切れてしまう場合は、インターネット回線の変更をしましょう。

どれだけコーチングの内容が良くても、通信環境が悪いと音質や画質が低下し、コーチングに悪影響がでてしまいます。最悪の場合、途中で接続が切れるケースも考えられます。問題がある場合はより良い通信環境に切り替えてみましょう。

集中できる環境でコーチングに参加する

コーチングのセッションは1回あたり40分〜1時間程度の場合が多いです。セッションの効果を高めるためにも、セッションの間、自分が集中できる環境を整えておきましょう。

生活音や雑音の聞こえない静かな場所を選ぶことも大切です。また、コーチの場合、セッションの妨げになるような環境でコーチングに臨むと、クライアントからの信頼を失ってしまう場合もあります。

コーチとクライアントがお互いに信頼関係を築くためにも、集中できる環境でセッションに参加することを意識してみてください。

遠慮せずにコーチを活用する

コーチングの中には、1クール3カ月で契約を結ぶ場合もあります。

詳細はコーチによって異なりますが、3カ月間で合計8〜12回のセッションを行うことが多いです。この契約期間中は好きなだけコーチを活用しましょう。

セッション外でもセッションの内容で気になる部分がある場合は、チャットやメールで質問を送り、問題解決していくと良いです。

メリット・デメリットを理解してオンラインコーチングに参加しましょう

オンラインコーチングのメリットは、場所や時間帯の拘束が少なく、柔軟にコーチング環境を整えられる点にあり、これは対面コーチングにはない魅力です。

対して、インターネット環境が整っていない場合は、通話環境が悪く満足なコーチングの効果が得られない可能性もあります。

メリットを十分に受けるためにも、オンラインコーチングを受ける際は環境を事前に構築しておき、しっかりと準備をしたうえでセッションに臨んでください。