コーチングで独立や副業を検討している方の中には、「独立に資格は必要?」「資格は何の役に立つ?」などの疑問を抱く方が多いのではないでしょうか?
コーチングの資格取得には費用や時間がかかるため、取得するか迷っている方は少なくありません。
そこでこの記事では、コーチング資格の内容や資格がいらないと言われる理由、資格のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
目次
そもそもコーチングの資格とは
コーチング資格は、プロコーチとして活動するために、一定以上のカリキュラムやトレーニングを修了したことを証明するものです。
ここでは、コーチング資格の概要や知名度について解説します。
コーチングの資格は民間資格
現在取得できるコーチングの資格は、全て民間資格となっており、国家資格は存在しません。
また、一言でコーチングの資格といっても、経営者向けのコーチングや、子育て、スポーツ、心理学を生かしたコーチングなど種類はさまざまです。
コーチングの資格は知名度が低い
コーチングの資格は民間資格のため、弁護士や医師のように誰もが知る資格に比べると知名度は低いです。
資格ごとに学べる知識や取得の難易度は、資格を認定する団体によって異なります。そのため、対外的なアピールがしにくく、クライアント(相談者)がコーチの保有資格を見て、「どんな資格か分からない」と疑問を抱く可能性もあります。
しかし、数多く存在するコーチング資格の中でも、有資格者が多い民間資格として知られているのが以下の3つです。
- 国際コーチ連盟(ICF)
- 日本コーチ連盟(JCF)
- 一般財団法人生涯学習開発財団
資格の取得を検討する際は、代表的な資格の中から比較検討を始めてみるのも良いでしょう。
資格がコーチの実力を証明するわけではない
コーチングの資格は、資格を認定する団体によって取得までの過程や基準がバラバラのため、資格を保有しているからといって、コーチの実力を証明できるわけではありません。
コーチングのスキルを証明するには、コーチとしての訓練や経験を積み、コーチングの実績や成果を伝える必要があります。
コーチングの資格を保有していても、それらの実力や成果の指標を証明するものではないのです。
コーチングの資格はいらないと言われる理由
コーチングには民間資格があるものの、「コーチングに資格はいらない」と言われることがあります。
ここからは、そう言われる具体的な理由について見ていきましょう。
コーチングスクールでビジネスの始め方は学べない
コーチングで独立や副業を始めたい方にとっては、「クライアントの獲得方法を知りたい」「どうすれば成功するか教えて欲しい」と思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、コーチングスクールでは、コーチングの手法を学べても、コーチングをするための集客方法など、ビジネスの始め方や具体的な手順は学べない場合が多いです。
個人で稼ぐためのノウハウや再現性のあるビジネスモデルは、コーチングスクール以外で学ぶ必要があります。
コーチングスクールで得られるのはコミュニケーションスキル
コーチングスクールでは、相手の話をしっかりと聞く「傾聴スキル」や、相手に内省を促すための「質問スキル」、相手に気付きを与えるための「フィードバックスキル」などを学びます。
受講生同士で模擬セッションをしたり、それをフィードバックをしあったりして実践的なスキルを身につけていきます。
しかし、コーチングスクールでコミュニケーションスキルをマスターしても、すぐにクライアントを獲得したり、収入を得たりできる訳ではありません。
スクールに通って資格を取得しても、「すぐに稼げるようになるかどうか」はまた別の話なのです。
コーチングの資格取得には費用と時間がかかる
コーチングの資格取得には費用と時間が必要です。
コーチングスクールに通い、時間と費用をかけたとしても、前述のとおり得られるのはコミュニケーションスキルだけです。
そこからビジネスとして発展させるとしても、すぐに稼げるかどうかは分かりません。そのため、「多くの時間とお金をかけるのはリスクが大きすぎる」と考える方が多いのです。
有資格者が多い
コーチングの資格は全て民間資格のため、国家資格や公的資格とは違って、資格そのものに大きな価値はありません。
コーチングの資格にはさまざまな種類があり、有資格者も多いですが、それゆえに「資格名を聞いてもピンとこない」というクライアントがほとんどです。
また、資格があれば必ず稼げるという訳ではありません。
コーチ同士であれば、どんな資格か分かることもありますが、大切なのは資格の有無ではなく、稼ぐ方法を知っているか、収入を得られるかどうかにあるのです。
大切なのは稼ぎ方を知ること
コーチングで起業や副業をするために必要なのは、資格ではなくビジネスへのコミットです。
コーチングスクールでコミュニケーションスキルを学べても、それだけでビジネスが成立する訳ではありません。
クライアントは「コーチングの有資格者」よりも、あくまで「目的や目標に導いてくれる人」を求めています。
そのため、「資格よりも実績」と考えて活動するコーチが少なくありません。
コーチング資格を取得するメリット
「コーチングに資格はいらない」と言われる理由について解説しましたが、だからといって資格取得に全くメリットがない訳ではありません。
- 資格取得が自信につながる
- 同じ資格を持つコーチ仲間ができる
- 関連団体からサポートしてもらえる場合がある
実際には、上記のようなメリットがあります。ここからは、それぞれについて詳しく解説します。
資格取得が自信につながる
コーチングスクールで学んだコーチングのスキルや実践経験、そして資格取得は自信につながります。
仮に資格がない場合、コーチとして必要な知識やスキルは独学で身につける必要があり、実践相手も自分で探さなければなりません。
また、自身のコーチング手法がどうなのかを判断してもらう相手がいない状態では、スキルがなかなか身につかない場合もあります。
同じ資格を持つコーチ仲間ができる
コーチングの資格を取得する際、同じ資格を持つ仲間と出会えることもメリットの一つです。
仲間同士で勉強会や練習会を開催したり、お互いのコーチング活動を報告したりといった交流もできます。
仲間と交流することで、新しい気付きを得られたり、セッションでの成功事例などを共有でき、コーチとしてより成長しやすくなるというメリットがあります。
関連団体からサポートしてもらえる場合がある
コーチングの資格を認定している団体によっては、さまざまなサポートを行っているところがあります。
例えば、特定の講座を安く受けられる、団体のイベントやセミナーなどにスタッフとして参加できるなどです。運営スタッフとして経験を積むことができれば、新たな視点で学ぶこともできます。
また、プロコーチのセッションやコンサルティングを受けられるというようなサポートもあります。コーチングの資格を取得する際は、そういったサポートのある関連団体を探してみるのも良いでしょう。
コーチング資格を取得するデメリット
コーチングの資格取得には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
- 資格があっても集客ができる訳ではない
- ランニングコストがかかる場合がある
具体的にどのようなことなのか、確認していきましょう。
資格があっても集客ができる訳ではない
コーチングの資格を取得しても、そのまま集客、収入につながる訳ではありません。
つまり、コーチングスキルが身についたとしても、それをいかにビジネスに活用できるかは別の問題なのです。
コーチングのスキルがあっても、集客するためのマーケティングスキルがなければ、コーチングの資格を生かすことができません。
そのため、コーチングの資格を取得するだけでは、即副業ができ、収入につなげられるとは限らないです。
コーチングの資格を取得したあとは、身についた技術をどのようにしてビジネスに活用するか、どのようにして集客するのかを自身で考える必要があります。
ランニングコストがかかる場合がある
コーチングの資格には、場合によって年会費や更新料などの維持費がかかることがあります。維持費が高額な団体であれば、人によっては更新できないこともあるでしょう。
また、維持費が高いからといって稼ぎやすい訳でもありません。資格を保有することで得られるメリットがある一方、取得後にも費用がかかる点はデメリットと言えます。
コーチングの資格は本当にいらないのか?
ここまで、コーチングの資格を取得する必要性やメリット・デメリットについて解説しましたが、コーチングの資格は本当にいらないのでしょうか?
最後に、コーチングの資格があると良い人、必要ない人について紹介します。
コーチングの資格があると良い人
コーチングの資格があると良い人は、以下のような人です。
- 資格取得という明確な目的がないと勉強が進まない人
- 仕事する際、スキルの証明が必要になる人
- お金に余裕がある人
まず、「資格取得」といった目標がないと、コーチングを学ぶモチベーションが上がりにくい方は、資格取得を目指したほうがいいでしょう。
また、企業である程度以上のポストに就くためや、プロ講師としての活動するために、資格取得の証明が必要な場合もあります。
ただし、コーチングの資格取得のためにコーチングスクールに通うには、一定以上の費用が必要です。
30万円以上の費用を資格取得にかけられるだけの余裕がある方、費用をかけてでもコーチングを学ぶ価値があると考えられる方は、資格取得に向いていると言えます。
コーチングの資格が必要ない人
反対に、コーチングの資格が必要ないのは以下のような人です。
- プロコーチとして活動する予定のない人
- コーチングが自分にあった仕事なのかを、まずは見極めたい人
- 高額の費用をかけてまで勉強したいと考えられない人
コーチングスキルを身につける目的が、プロコーチになる訳ではなく、日常生活に生かしたいと考えている場合は、資格は必要ありません。
また、コーチングが自分にあった仕事なのかを見極めたい人も、まずはコーチングセミナーなどでコーチングについて十分理解してから、資格取得を検討するほうがいいでしょう。
そして、資格取得のための費用を準備できない人や、費用をかけてまで学びたくはないと考える人も、資格取得は必要ないと言えます。
目的にあわせてコーチングの資格取得を検討しましょう
コーチングの資格は、必ずしも必要な訳ではありません。
しかし、資格取得のためにコーチングスクールに通うと、仲間ができる、資格の認定団体からサポートを受けられるなどのメリットがあります。
仲間とともにスキルを高めていきたいという方であれば、コーチングスクールに通い、資格を取得するのも良いでしょう。
一方、独学で勉強し、コーチングの実績を積みながら、独立や副業をしていくことも可能です。
資格の取得については、コーチになる目的や資格の必要性を慎重に考えてから検討を始めても遅くはありません。