本記事では、「コーチングは怪しい」と考える方に向けて、怪しい5つの理由や正統派コーチかどうかを見分ける質問集をご紹介します。
今回は、コーチングが信頼に足る根拠も3つ解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
コーチングは怪しい?信頼できる3つの根拠
まず結論として、コーチングはカウンセリングやコンサルタント、セラピストなどと同じく効果が見込める手法であり、無論信頼に足ります。
ここではその根拠を3つ見ていきましょう。
1970年代に米国で誕生した手法
コーチングは1970年代にアメリカの心理学者「ルー・タイス氏」が考案しました。
同氏は自己啓発・能力開発の権威であり、心理学者や認知科学者とタッグを組んでコーチング理論を体系化。The Pacific Instituteを設立し、年間100万人以上が受講する一大教育機関にまで成長しています。
参考までに、コーチング考案のきっかけとなったのは、奥方であるダイアン婦人と共に「人間が成功するための心の仕組み」を探求し始めた時。同時に言葉の力で理想の実現を目指すアフォメーションの技術も確立しました。
海外の有名選手・企業がコーチングを受講
ルー・タイス氏がコーチングを考案して以降、海外ではアスリート業界を中心に注目され始めました
ゴルフで名を馳せた「タイガーウッズ」や北京オリンピック出場の「マイケル・フェルプス」といった誰もが知るトップ選手も受講しており、政府の要人なども後に続きました。
ある程度の知名度を得てからはビジネス領域にも波及し、フォーチュン500の60%以上の企業が受講。NASAも導入した企業の1つです。
日本でも公的機関・企業が導入
海外で十分な成果を上げてきたコーチングは、20010年前後に日本へ本格上陸してきました。
そして、その陣頭に立ったのがルー・タイス氏と「苫米地英人氏」です。苫米地氏は、創始者であるルー氏と共にコーチングプログラムを開発し、ルー氏の逝去後も日本における第一人者として現在も普及に励んでいます。
具体的には、「公正取引委員会」「東京都福祉保健局」「日本大学歯学部」など公的・教育機関ばかり。もちろん、大手企業も名を連ねており、官民問わず効果が認められていることが分かりますね。
*日本コーチ協会
コーチングは怪しいと言われる5つの理由
ここからは、コーチングが怪しいと言われる5つの理由を見ていきましょう。
日本での歴史がまだ浅い
コーチングは日本に伝わってから10年程度しか経っておらず、歴史が短いために知名度が低いです。
すでに官民で取り入れられている手法ではあるものの、肝心の一般層へ実績が伝わり切っていないため、「怪しい」と思ってしまうのも無理はないでしょう。
ただし、海外も含めれば50年ほどの歴史を持ち、むしろ日本の情報浸透度こそ遅れているのが実情。すなわち、「歴史が浅いから怪しい」というのはそもそも誤ったイメージといえます。
名乗るだけでコーチになれる
コーチングは特別な資格や経験がなくても行えるため、極端に言うと名乗ったその瞬間から営業できます。そして、そんな参入ハードルが低い状況が「怪しい」という考えを引き起こすのです。
将来的に、コーチングにも必須資格が誕生する可能性はゼロではありませんが、現状が続く限りこの理由は致し方ないでしょう。
偽物コーチが多い
「偽物コーチ」の存在は、コーチングの怪しさを最も助長する原因といって差し支えないでしょう。コーチングを求めてきたクライアントを以下のようなサービスへ誘導し、本来在るべきセッションを何も実施しないのです。
- 自社のサブスクサービス
- セミナーや学習教材の販売 など
詳しい見分け方については後で解説しますが、まず把握しておくべきは「本来のコーチングは別のサービスに誘導しない」というポイント。
ルー・タイス氏が考案した本来の形なら、とにかくクライアントとの対話を重ね、丁寧に目標・理想像の実現をサポートするはずなのです。中には、詐欺に近い情報商材を販売する偽物コーチも存在するため、正統派にとってはまさに迷惑千万といえるでしょう。
洗脳されるイメージがある
意外にも、コーチングはクライアントに変化を与える手法なので、「洗脳」のイメージと結びついて「怪しい」と考えてしまうようです。
しかし、先ほど触れた通りコーチングは心理学や認知科学によって生み出された手法。当然ながら、目に見えないパワーで操るわけではありません。
そもそも手法を誤解している
「コーチングは怪しい」と考える方は、そもそも手法を誤解している可能性もあります。その一例としてあげられるのが、一見するとよく似ている「コンサルタント」との混同です。
コンサルタントの仕事は、クライアントの悩み・課題を直接的に解決する方法のアドバイス。
自己解決をサポートするコーチングとは目的が異なるため、もし「コンサルタント」のつもりで「コーチ」を雇ったとすれば、不満に繋がってもおかしくないでしょう。
ちなみに、カウンセラー、セラピストなどもコーチングとは異なります。もし具体的な仕事内容が理解できない場合は、以下の記事も参考にしてくださいね。
怪しいコーチングか見分ける質問集
ここからは、怪しいコーチングかどうかを見分けるための質問集を紹介します。
自分がコーチになった際も、すべての質問に正しく答えられるよう、しっかり押さえておいてください。
①コーチングとは何ですか?
怪しいコーチングかどうかを見分けたいのなら、まず「コーチングとは何か」を問いかけてみてください。または、「コーチングって誰が考えたんですか?」でも良いでしょう。
いずれにしても、コーチングのルーツや基礎知識を語る際は、ほぼ必ず「ルー・タイス氏」か「苫米地英人氏」というビッグネームが登場するはずです。
しかし、怪しいコーチングを行う人物はどちらの名前も出さず「カウンセリングと似ています」「コンサルタントと思ってください」とボンヤリした説明に留めるでしょう。
【正統派コーチの回答例】
- コーチングはアメリカの「ルー・タイス氏」が考案しました
- 日本での第一人者は「苫米地英人氏」です
- カウンセリングやコンサルタントとは似て非なるサービス
- 直接的な解決策ではなく、あなたの「自己解決能力育成」を後押しします
②契約内容を見せてくれますか?
怪しいかどうか見分ける際は、早い段階から契約内容を見せてもらいましょう。コーチングは複数回のセッションを行うのが基本であり、不測の事態に備えて契約を結びます。
そして、このタイミングで「契約内容を見せてくれない」「どうみてもコーチングと関係ない内容がある」のなら、怪しいコーチングの可能性が濃厚。しっかりと機密保持契約を結ぶかどうかも忘れずにチェックしておきたいポイントですね。
ただし、契約書面は自分の身を守る上で必ずチェックしておくべきなので、明らかに正統派コーチであっても事前に見せてもらうのがおすすめです。
③どのくらい学びましたか?
「どのくらい学びましたか?」とコーチングの学習期間を聞くのも効果的。
正統派コーチは最低1年程度勉強するケースが多いため、もしここで「うーん…数か月ですかね」「ちょっと長くやりすぎて覚えてないです」とはぐらかした場合は「怪しい」と考えて良いでしょう。
ただし、怪しいコーチングであっても「丸3年勉強しました!」などとハキハキと嘘をつく可能性があります。そのパターンに備えて、4つ目の質問も押さえておかなければなりません。
④学習したスクール・機関はどこですか?
怪しいか正統派かに関わらず、「どのスクール・機関で学んだか」も忘れず聞いておきましょう。どこで勉強したかが分かれば、きちんと「本来のコーチング」を身につけたか判断できるので、③とワンセットと考えて問題ありません。
怪しいコーチングではなく正統派コーチに依頼しよう
本記事では、コーチングが信頼できる根拠や「怪しい」と考えられる理由を解説してきました。
日本におけるコーチングはまだまだ歴史が浅い一方、海外ではすでにアスリートや大企業が取り入れており、確かな効果を証明しています。
実際のところ、本来のセッションを行わない「怪しいコーチング」は少なくありませんが、本記事で掲載した4つの質問を実践すれば、「正統派コーチ」を効率的に見つけ出せるでしょう。