コーチングを学びたいと考えている方の中には、「ライフコーチングの内容を知りたい」「必要な資格は何?」と疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ライフコーチングの仕事内容と種類、そしてライフコーチングのメリットや、おすすめできる人について詳しく解説します。
ライフコーチになるための手順についてもまとめていますので、ライフコーチングに興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
ライフコーチングとは
まずは、コーチングの由来とともに、ライフコーチングの特徴を解説します。仕事内容や資格についても、あわせて見ていきましょう。
コーチングの由来とはじまり
コーチングの「コーチ(Coach)」の語源は、「馬車」です。馬車の役割は、目的地まで人を送り届けることであり、この意味が転じて「コーチ」はスポーツやビジネスなどさまざまな分野で、その人の目標達成をサポートする人として使われるようになりました。
また、マネジメントの分野での「コーチング」は、1950 年代に当時ハーバード大学の助教授だったマイルズ・ メイス 氏が自身の著書の中で「マネジメントにはコーチングスキルが重要」として紹介したことがはじまりといわれています。
1980 年代になると、コーチングに関する出版物が多く出回りはじめ、1992年にはアメリカで、コーチを育成する機関「Coach University」が生まれ、コーチの育成プログラムが開始されました。
日本では、1997 年にコーチ・エィ が、日本で初めてのコーチ養成機関としてコーチングを体系的に学ぶことができるプログラムの提供をはじめています。
日本では、コーチングというとライフコーチングよりもビジネスコーチングの認知度が高いですが、アメリカではライフコーチングで何十億も稼いでいるコーチがいるほど、ライフコーチングが浸透しています。
ライフコーチングの主な仕事内容
ライフコーチングは、クライアントの人生や生活におけるさまざまな目標達成のためのサポートをしていく仕事です。
ビジネスコーチングでは、上司が部下にビジネスに関わるコーチングを実施するケースが多いですが、ライフコーチングでは人生に関わる事柄全般を扱います。
クライアントのキャリア、お金、人間関係、家族関係、健康、夢などにおける目標達成のために支援をしていきます。
ライフコーチングの方法には、クライアントと1対1で行う「パーソナルコーチング」と、企業や法人向けの「グループコーチング」があります。
ライフコーチングとしては、パーソナルコーチングが一般的となり、個人と契約をして定期的にコーチングセッションをする仕事となります。
ライフコーチングにおすすめの資格
団体名 | 資格名 | 取得条件 |
ライフコーチワールド | ・ライフコーチワールド認定ライフコーチ・国際コーチング連盟アソシエイト認定コーチ(ACC) | LCWライフコーチトレーニングを受講・修了し実績を積む |
一般社団法人パーソナルライフコーチング協会(PLCA) | ・PLCA認定コミュニケーションコーチ ・PLCA認定パーソナルライフコーチ・PLCA所属 プロフェッショナルコーチ | 対応講座を受講・修了し、各認定資格試験を受験する |
日本NLP能力開発協会 | ・米国NLP協会認定 NLPプラクティショナー・日本NLP能力開発協会協会認定 NLPプラクティショナー・米国NLP協会認定 NLPコーチ・日本NLP能力開発協会協会認定 NLPコーチ | 米国NLP協会認定 NLPコーチ養成コースを受講・修了し、要件を満たす |
ライフコーチになるために「必須」となる資格はないため、資格なしでもコーチとして仕事をすることができます。
しかし、資格を保有しているコーチのほうがクライアントからの信頼を得やすいため、特に初めてコーチングを学ぶ方の場合は、資格取得を検討してみてください。
ライフコーチングを学ぶためにおすすめの資格は上記の3つです。各団体で学べる内容を確認し、自分の学びたいものとあっている資格を取得しましょう。
ライフコーチングの主な種類
ライフコーチングは人生のさまざまな問題を取り扱うため、種類が多いです。ここからは、ライフコーチングの主な種類について順番に解説します。
ビジネスコーチング・キャリアコーチング
ビジネスコーチング・キャリアコーチングは、仕事に焦点を当ててサポートをしていくライフコーチングです。起業や副業の支援、適職探しの手伝い、年収アップのサポートなどが主な仕事内容です。
今の日本は終身雇用制度が崩れ、老後の年金不安もあります。このような状況下で、ビジネスコーチング・キャリアコーチングの需要は高く、クライアントからの依頼も増えています。
具体例としては以下のようなものがあります。
- 新卒者のための就活コーチング
- 主婦のための副業コーチング
など
お金のコーチング
お金のコーチングでは、投資でお金を増やす方法、借金の返済方法、貯金を増やす方法など、お金に関するテーマを取り扱います。
お金に関して相談できる職業として、ファイナンシャルプランナーがありますが、ライフコーチとファイナンシャルプランナーでは役割が違います。
ファイナンシャルプランナーは相談者の話を聞きながら、具体的な資金計画のアドバイスをしていくのが仕事です。
一方、お金のライフコーチはアドバイスもしますが、それだけにとどまらず、クライアント自身に自立を促すことが目的となります。ポートフォリオの作成や資産管理などを自分でできるようにサポートします。
具体例としては以下のようなものがあります。
- 3年間で50万円貯めるコーチング
- 不動産投資で月10万円を稼ぐためのコーチング
など
健康のコーチング
健康のコーチングでは、クライアントが心身の健康を手に入れるためのサポートを行います。自発的にライフスタイルや生活習慣を改善できるように導いていくのです。
例えば、栄養バランスのとれた食事、習慣的な運動、十分な睡眠など、ライフコーチングを通じて、自ら取り組んでもらいます。
コーチが一方的に指導するのではなく、自分で生活習慣を改善し、健康な生活を維持できるように導いていくためのサポートを行います。
具体例には以下のようなものがあります。
- 生活習慣病を予防する食事管理のコーチング
- おなか周りを5cm減らすダイエットコーチング
など
家族や友人関係のコーチング
家族や友人関係のコーチングでは、人間関係で悩む方に良好な関係を築き、より充実した人生を送れるようサポートします。
人間関係の悩みには解決が難しい場合もあり、自分ではなかなか答えが見つからないクライアントが多いです。そのため、自ら解決策を見つけられるよう、導いていくのがライフコーチングの目的となります。
ここでも具体例を確認しておきましょう。
- 子どもが自主的に勉強に取り組めるようになる子育てコーチング
- 職場の人間関係を改善させるコーチング
など
恋愛のコーチング
恋愛コーチングでは、出会いを求める方や、夫婦、カップルの問題解決を支援します。
恋愛に関するクライアントの希望や悩みに沿い、どのように関係を改善すればいいのかをクライアント自身の気付きにより導いていきます。
具体例には以下のようなものがあります。
- 30代から理想のパートナーを探す恋愛コーチング
- 昔の仲良かったころの夫婦関係に戻す夫婦コーチング
など
自己成長のコーチング
自己成長のコーチングは、クライアントの内面を磨くことを手伝うライフコーチングです。
人は誰しも自分の内面の中に改善したい部分を持ち、伸ばしたいと思っているスキルを持っているものです。しかし、自分でそれらを実行するのが難しいときがあります。
ライフコーチングは、一人で解決できない問題をサポートして、解決できるように導きます。
自己成長のコーチングの具体例は以下のとおりです。
- 勉強をなまけずに続けられるようにする学習・時間管理コーチング
- 資格取得を目指すために効率的な学習ができるようサポートするコーチング
趣味や娯楽のコーチング
趣味や娯楽のコーチングでは、趣味や娯楽をするうえでの目標達成をサポートしていきます。楽器、手芸、自動車、パソコン、スポーツ、旅行、将棋や囲碁、ゲームなどさまざまな分野に対応しています。
趣味や娯楽のコーチングとなるとそれぞれの専門知識も必要となるため、ライフコーチングの知識だけでは十分でない場合もあります。そのため、特定の分野に専門知識があるという方におすすめのライフコーチングです。
具体例を見てみましょう。
- ピアノが上手く弾けるようにサポートするピアノコーチング
- 将棋や囲碁の腕を上げる応援をする将棋・囲碁コーチング
など
環境のコーチング
環境のコーチングとは、クライアントの環境整備をサポートするライフコーチングです。片付けや整理整頓、大切なものだけで生活する方法を教えます。
ただし、環境のコーチングの目的は、ものや環境の整備だけではありません。自分にとって真に必要なものは何かを見極める目を養うことも目指します。
環境のコーチングの具体例としては、以下のようなものがあります。
- 自分が本当に希望する空間を作るサポートをする空間コーチング
- 不必要なものを断捨離するミニマリストコーチング
ライフコーチングをするメリット
コーチングにはさまざまな種類がありますが、その中でもライフコーチングにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、ライフコーチングを行う具体的なメリットを解説します。
クライアントの理想の未来や目標達成に近づくことができる
ライフコーチングを受けることで、クライアントの理想の未来や目標達成に近づけます。
人は途中でなまけたくなったり、やる気が持続しなかったりといったことも多いです。場合によっては目標を途中であきらめてしまうかもしれません。
その点、ライフコーチという存在があると、自分自身のモチベーションもアップし「コーチがいるから頑張ろう」という気持ちにもなります。
ライフコーチングでは、アドバイスをするというよりも、自発的な努力を引き出すことに重点が置かれているので、クライアントが「自分で頑張ってみよう」という気持ちにもなりやすいのです。
自己肯定感が高まり、安定した生活を送ることができる
ライフコーチングを受けるメリットとして「自己肯定感が高まること」もあります。「私でもできる」「こんなことができるんだ」というように、自分を高く評価するようになります。
自己肯定感が高まると、満足感にもつながっていきます。満足感が感じられる生活は充実して、安定しています。日々が楽しくもあり、明日に向かって前向きにもなれるでしょう。
ライフコーチの存在は大きく、そのサポートが次なる励みにもつながります。
明確な行動を継続できるようになる
ライフコーチングでは、ライフコーチが何のために行動しているのか、目的やビジョンを明確にします。そのため、その目的に向かってモチベーションも維持しやすくなり、継続した行動もできるようになります。
一人では目的やビジョンを忘れてしまう、やる気が続かない、ほかのことに気が散るなどの理由で、行動が継続しないものです。
一方、ライフコーチのサポートがあれば、途中で挫折しにくく、一人では達成できない目標でも、コーチのサポートにより持続させる努力もできます。
ライフコーチングをおすすめできる人
ライフコーチングがおすすめなのは、以下のような方です。
- 人生に関するさまざまなテーマについて相談相手が欲しい人
- 特定の目標があり、目標達成のための方法に悩んでいる人
- 何を目標にして生きていけばいいのか知りたい人
ライフコーチングは、すでに明確な目標がある方はもちろん、まだ目標が決まっていない方にもおすすめです。
ライフコーチングを受けることで、仕事について、恋愛について、自分自身についてなどさまざまなテーマについて話すため、これから何を目標にすればいいのかを決めるためのサポートになります。
また、具体的に目標がある方は、ゴールに向かって具体的にどのようにすればいいのかをライフコーチングによって、自分自身の力で気付くきっかけとなるでしょう。
ライフコーチングをおすすめできない人
次に、ライフコーチングがおすすめできない人についても見ていきましょう。
具体的には、以下のような人です。
- やり方を教えてもらえると思っている人
- 受け身的な指導を希望する人
- 言葉を受け入れる心の余裕がない人
言葉と言葉のコミュニケーションで成り立っているのがライフコーチングなので、コーチの言葉を受け入れる余裕がない人、誰かに相談したくない人にはあまりおすすめできません。
また、ライフコーチングはやり方を具体的に教えてもらえるものではなく、自分でできることを引き出すようにサポートするものです。具体的にアドバイスを受けたい、指導を受けたい場合は、他の方法を試す必要があるでしょう。
ライフコーチになる手順
最後に、ライフコーチングで副業や起業を考えている方のために、ライフコーチになる手順を解説します。信頼される確かなライフコーチになるための手順を、具体的に確認していきましょう。
1.ライフコーチの型を選ぶ
一口にライフコーチといってもいくつかの型があるため、自分にあっているものを選択する必要があります。
ライフコーチの型には主に次のようなものがあります。
- 知識量でクライアントをサポートする型
- 経験量でクライアントをサポートする型
- 自分が挑戦する過程を共有しながらサポートする型
「1」の型は研究者や学者、評論家など、他人よりも知識が多い方に向いています。その知識を売り込むという形でコーチングをしていきます。
「2」の型は、自分が過去に体験したことをもとに、他の人にもその経験で教えていくタイプです。自分で目標達成したときの体験をクライアントにも生かしてもらいます。クライアントと自分との体験差を売り込む手法ともいえます。
「3」の型は、自分で達成したい目標や実現したい夢に向かって努力し、その過程の学びを共有するタイプです。このタイプでは、知識量や経験量がそれほどなくとも、これからチャレンジしてその内容を教えることになります。
どの型が自分に一番あっているかを考えたうえで、ライフコーチを目指しましょう。
2.ライフコーチングの目的や目標を考える
次に、ライフコーチングの目的や目標を考えましょう。何を伝えたくてライフコーチになるのかを明確にする必要があります。
例えば、「子育て術」に関する目標だったとします。単に子育てについて伝えるなら、ブログやYoutubeなど他の方法でも可能です。
子育て術をライフコーチングのテーマとするのであれば、さらに具体的な目標設定が必要です。「子どもと上手くコミュニケーションが取れる子育て術により、クライアントの幸せを見つけるお手伝いをする」というテーマであればライフコーチらしい目標となるでしょう。
このように、ライフコーチとして扱う目的や目標が見つかったら、自分が特に伝えたいこと、実際にクライアントに役立つ内容を考え、整理していく必要があります。
3.ライフコーチングの勉強をして資格を取得する
ライフコーチは資格が必要ない職業ですが、資格があるほうがクライアントの信頼を得られ、より多くの集客が望めます。
資格取得のためには、各団体のコーチング講座を受講する必要があります。費用はかかりますが、各団体のスクールで基礎からコーチングを学び、実戦経験も積むことでしっかりとしたコーチングスキルが身につきます。
さらに、資格によっては各団体の認定資格も取得できるため、自分の学びたいスクールを選んで資格取得を目指してください。
4.ライフコーチング事業の集客を行う
ライフコーチングの知識や実践法を学べたら、今度は集客方法について考える必要があります。いくらコーチングの知識やスキルがあったとしても、積極的な集客活動をしなければ、クライアントは集まってきません。
集客方法にはホームページ作成、ブログ、SNS、広告、お試し体験などさまざまな方法があります。
一つだけに絞る必要はないため、ブログやSNSを活用しながら、無料のコーチング体験なども実施し、一人でも多くの人に自分のコーチングを知ってもらいましょう。
自分にあったライフコーチングを提供していきましょう
ビジネスコーチングについては企業でも活用されるようになりましたが、ライフコーチングの認知度は日本ではまだ低いため、これからの発展段階にあるといえます。
ライフコーチングの種類は、仕事からお金、恋愛、人間関係、子ども、趣味など多岐にわたります。
自分の得意とする分野や自分が経験したことなどをテーマに、クライアントの人生のサポートをするライフコーチングを目指してみてください。