近年、副業や転職先の候補として「コーチング」のビジネス展開を検討する人が増えてきました。しかし、肝心の事業内容が分からないことから、今一歩踏み出せないケースも少なくありません。
そこで本記事では、「プロコーチを目指したい」「コーチングビジネスに興味がある」という人に向けて、コーチングビジネスのメリットや注意点を解説します。
目次
コーチングビジネスとは
そもそもコーチングビジネスとは、企業や個人が抱える願望・目標・目的を深堀して、達成するためのマインドセットなどをサポートする仕事です。
自発的な行動の促進や継続的な組織の成長にもつながるため、現在は多くの企業が導入しており、今後も需要は上がり続けていく期待が持たれています。
ただし、厳密な種類やコンサルタントとの違いについてはあまり知られていないので、ここで詳しく見ていきましょう。
コーチングの種類・テーマ
コーチングの種類は大きく分けて「ビジネス分野で行われるコーチング」と「ビジネス以外で行われるコーチング」の2種類です。
まだまだ知名度が低い日本においては、マネジメントや自己啓発といったビジネスの文脈で活用されていますが、実際にはさまざまな分野やテーマがあります。すなわち、ビジネスマンだけでなく、学生や主婦にも有用なサービスなのです。
コーチングとコンサルティングの違い
コーチングはコンサルティングと似ており、混同している初心者も少なくありません。しかし、実際には問題解決までの道のりがまったく異なっており、完全に別物のサービスといえるでしょう。
一方、コンサルティングはデータや事例などにもとづいて指導し、直接的なソリューションを提案・実行していきます。したがって、コーチングが根本治療なら、コンサルティングは応急的な外科手術と考えておけば良いでしょう。
コーチングビジネスの年収相場
コーチングビジネスの収入は、「セッション(面談)代金」と「クライアント数」「セッション回数」の3要素で決まります。
人気のコーチになると、クライアント数が増え、1回あたりのセッション代金も高額になるため、飛躍的に収入が上がっていくでしょう。
もし、コーチングの年収をもっと知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:コーチング起業で高収入は実現する!成功するためのコツと稼げるコーチの特徴を解説
コーチングビジネスが向いている人
コーチングにはさまざまなスキルが要されますが、対象の言葉をじっくりとヒアリングする「傾聴力」は特に重要です。そのため、「人の話を聞くのが好き」「よく聞き上手と言われる」なら、コーチングビジネスが向いています。
コーチングは対話を通して解決策を見つけたり、クライアント自身に見つけさせるのがミッション。もし、直接的に問題を解決してあげたいなら、コンサルタントを目指すと良いでしょう。
関連記事:コーチング講師に必要なスキルとは?収入やおすすめの資格を解説
コーチングビジネスは怪しいと言われる背景
コーチングビジネスをあまり知らない層は、「怪しい」「詐欺じゃないか」「宗教のよう」といった印象を抱きがちです。
しかし、ここまで触れたとおりコーチングビジネスは至極真っ当なサービスであり、米国では数十年前からアスリートや著名人に活用されています。
すなわち、「怪しい」というのは単なる思い込みに過ぎないため、しっかり正しい認識を持っておきましょう。以下の記事ではコーチングセミナーの評判について解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
関連記事:コーチングセミナーが胡散臭いと言われる理由は?選び方や注意点を解説
コーチングビジネスが起業・副業におすすめの理由
ここからは、コーチングビジネスが起業・副業におすすめの理由を3つ解説します。
今後コーチングビジネスを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
スモールスタートできる
起業・副業する上で「初期費用」はとても大きな課題。あまりコストをかけてしまうと、事業が上手くいかなかった時の経済的ダメージが増大し、最悪の場合は破産する可能性もあるのです。
その点、コーチングビジネスはスマホと自分の頭脳があればいつでも始められます。極端に言えば初期費用ゼロ円でも起業できるため、低リスクでビジネスを始めたい人には最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
関連記事:コーチング起業の失敗パターン9選|初心者が成功する鍵を徹底解説!
利益率が高い
コーチングは飲食業や販売業と違い、材料などが必要なく、基本的にスタッフなどを雇う必要もありません。すなわち、コーチングセッションの報酬は9割方利益となるのです。
もし、実績を積み、人気コーチになることができれば、コーチングセッション1回あたりの単価も上がり、高所得を目指すこともできます。
幅広いスキルが生かせる
コーチングはスポーツ、ビジネス、恋愛など幅広いジャンルが展開されているため、自分の得意スキルをマネタイズしやすいメリットがあります。
また、副業でコーチングビジネスを始める場合、コーチングスキルを身に付けることで、本業へも生かせるでしょう。部下をマネジメントするポジションに就いている人には特におすすめです。
コーチングビジネスのメリット・デメリット
ここからは、コーチングビジネスのメリット・デメリットを解説します。
最大限効率的に稼げるよう、ぜひ参考にしてください。また、以下の記事でもコーチング独立のメリット・デメリットを解説しているため、あわせてチェックしておきましょう。
関連記事:コーチング独立のメリット・デメリット|成功するためのコツも解説
コーチングビジネスのメリット
コーチングビジネスには以下のようなメリットがあり、起業を志す幅広い層から重宝されています。
- 無資格でも起業できる
- 在庫が必要ない
- コーチングを通して成長できる
- 利益率がとても高水準
コーチングビジネスは在庫が必要なく、副業を通じて自分自身も成長できるメリットがあります。また、日本での知名度が低いことから、比較的初心者でも参入しやすく、必須資格が存在しないのも大きな魅力といえるでしょう。
関連記事:コーチングの資格は必要?いらない人や初心者向きの資格も紹介
コーチングビジネスのデメリット
コーチングビジネスを始める際は、以下2つのデメリットにも注意しなければなりません。
- 知識習得のための自己投資が必要
- マーケティングの知識の習得が必要
コーチングはプロフェッショナルとしてクライアントを導く必要があるため、無知識・未経験での参入は無謀です。たとえ特定分野の知識を持っていても、コーチングの知識がまるでなければコーチとして活躍することは難しいでしょう。
関連記事:コーチングスクールの料金相場は?初心者におすすめ12選と選び方も解説
コーチングビジネスの始め方
ここからは、コーチングビジネスを始める方法について解説します。
具体的な行動を起こそうと計画している方は、ぜひ参考にしてください。
1.コーチングの内容を正しく理解する
コーチングを始めるにあたり、まずはコーチングの内容や大まかな手順を正しく理解する必要があります。
前述のとおりコーチングは、「企業や個人の目標達成のために対象者をサポートする」「問題に対する答えはクライアント自身が持っている」という考えにもとづいており、これはどんなジャンルでも共通です。
もし、うまく理解できない場合は、実際にコーチングを受けてみるのもおすすめですよ。
2.コーチングを勉強してスキルを付ける
コーチングには、さまざまなスキルが求められます。具体的には「傾聴力」「分析力」「承認」や「質問スキル」などを高めなければなりません。
特に、先ほど触れた「傾聴力」と、話を分析して答えを導き出す「分析力」は必須と言っても過言ではないため、さっそく以下の記事で詳細を確認しておきましょう。
関連記事:コーチングに必要なスキルとは?3つの基本スキルを徹底解説
3.コーチングの商品やターゲットを決める
コーチングのスキルが身に付いたら、自分自身の商品(サービス)を具体的に決めていきます。ビジネスだけでなく、恋愛や転職、子育てなどのジャンルから得意分野を生かした商品設定が大切です。
また、商品決めとあわせてターゲットも決定する必要があります。ターゲットを絞ることで、集客の手段や内容が絞りやすくなるため、欠かさずに設定しておきましょう。
4.集客活動をする
コーチングビジネスの下準備が整ったら、いよいよ集客活動に入ります。集客の方法はいくつかありますが、やみくもに試しても効果は表れません。
ターゲットにあった集客方法が大切なので、以下で解説する方法から最適なものを選んでみてください。
オフライン集客
知り合いに声をかけてみたり、体験セッションや相談会にオファーするなど、オフラインでクライアントを探す方法があります。
苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、直接アプローチができるため、熱意やトークを伝えやすいメリットがあります。
ただし、基本的には知り合いから始めることが多いため、あまりネットワークが小規模に収まらないよう、きちんと戦略を組んでおきましょう。
SNSを使った集客
InstagramやLINE、Facebook、YouTubeなどのSNSを駆使して集客する方法もあります。SNSであれば、自分のアカウントを作成できるため、コーチとしてのブランディングを構築しやすいです。
駆使するSNSによって、利用している年齢層や年齢が異なってきます。例えば、Instagramは30歳以下の女性利用者が多い傾向にありますし、Facebookは40歳以上の利用者が多いです。自分のターゲットにあわせたSNSで集客をしてみましょう。
ブログを使った集客
ブログを使い、コーチングについての記事を発信する方法もあります。SEO対策やリスティング広告を行うことでGoogleやYahooの検索上位を狙うこともできます。
ただし、継続して更新を行わなければ、集客効果は激減してしまいます。ある程度、ブログの更新に時間を割けるように準備をしてから、ブログやホームページの制作を行いましょう。
メルマガを使った集客
古典的なやり方に思われがちのメルマガ(メールマガジン)集客ですが、メルマガであればコーチングに興味のあるユーザーに直接アプローチできます。
本当にコーチングについて興味のあるユーザーしかメルマガ登録をしないため、他の集客方法のように興味関心のない方にアプローチする機会を減らせるでしょう。
メルマガの利用者は、SNSなどと比較すると年齢層が高めのため、経営者や老後の問題解決など、高齢者が対象の商品を取り扱う場合におすすめです。
5.実際にコーチングをする
集客に成功し、クライアントが集まったら実際にコーチングを行いましょう。このとき、クライアントの問題解決をサポートすることも大切ですが、あわせて自分のスキル向上を意識しながらコーチングを行ってください。
また、リピーターになったクライアントがいる場合は、口コミをお願いすることもコーチングビジネスでは非常に重要です。良い評判の口コミが流れることで、次のクライアントにつながり、安定してビジネスを続けられます。
コーチングビジネスを成功させるための心構え
最後に、コーチングビジネスについての注意点を紹介します。
副業でも顧客には関係ない
クライアントは、コーチが本業あるいは副業で行っているかではなく、「プロのコーチングを受けたい」と思いながらやってきています。したがって、「副業である以上、本業のコーチより質が劣ってもしょうがない」などの甘い考えは持たないようにしてください。
しかしながら、副業でコーチングをしているからといって自信を失う必要はありません。
クライアントの信頼を勝ち取りたいのであれば、自分のコーチングスキルを高め、問題解決や目標達成のサポートができるように精進していくのみです。
コーチングスキルだけで稼ぐことは難しい
コーチングビジネスは、コーチングスキルと同じかそれ以上に、顧客を獲得するためのマーケティング力や集客力が必要です。
集客の種類によってはサイト制作能力やWebに関する知識、デザイン能力などさまざまなスキルが必要になってきます。コーチングスキルも必須ですが、その他に関連するスキルの習得もあわせて取り組みましょう。
コーチングビジネスは初心者でも高収入が目指せる
本記事では、コーチングビジネスの概要や注意点、メリット・デメリットを解説してきました。
コーチングビジネスはスモールスタートできる上に、利益率も高い魅力があります。コーチングスキルの勉強は必要ですが、スクールなどを利用すれば誰でも習得できるでしょう。