コーチングは、法人の研修から個人の理想実現まで幅広く活用されており、今後もさらなる需要拡大が見込まれています。
そして、収入アップを目指しコーチングで独立を検討するケースも増えていますが、「独立の方法が分からない」「失敗しそうで不安」という悩みから、今一歩踏み出せない方も多いでしょう。
そこで本記事では、コーチングで独立する方法やメリット・デメリット、失敗しないためのコツについても解説します。コーチングの独立の成功率を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
コーチングとは?独立して成功する見込みはあるの?
コーチングでの独立に魅力を感じつつも、市場や仕事内容を正確に把握できていない方は少なくありません。
無論、コーチングで独立する上で必要不可欠な知識なので、ここではまず「コーチングの概要」と「コーチング市場の動向」を詳しく確認していきます。
クライアントの理想実現をサポートする手法
コーチングとは、クライアントが頂いている願望や課題、悩みをヒアリングし、解決に向けた「思考・アクションが行えるように導く手法」です。
すなわち、直接的にトラブルシューティングするのではなく、理想実現に向けた能力を引き出してあげるイメージを持つと良いでしょう。
【コーチングでサポートできる課題】
- マネジメント能力を身につけたい
- 仕事のパフォーマンスを高めたい
- 婚活を上手く進めたい
当然ながら、コーチングでサポートできる領域は上記以外にも多岐にわたります。もしさらに知りたい場合は、以下の記事も読んでみてください。
関連記事:コーチングのテーマはどう決める?選び方、具体的なテーマ例を紹介
コーチングの仕事は大きく分けて3種類
コーチングの仕事は大きく3種類に分かれており、それぞれで対象となるクライアントが異なります。
- パーソナルコーチング:クライアントと1対1で対話を重ね、数か月以上の時間をかけてサポートする形態
- 講師・講演:不特定多数の個人へ向けてスキルを発信
- 人材育成・研修:企業の管理職やマネジメント層へ向けた研修
ちなみに、「講師・講演」と「人材育成・研修」は一般的なコーチングではなく、プロコーチとして「コーチングのスキル」を伝える形態。
すなわち、独立したての初心者はまず「パーソナルコーチング」で経験を積んでいかなければなりません。
コーチング市場は成長傾向
コーチングは、潜在能力の開発に役立つ有用な手法である一方、日本で導入され始めたのは30年弱とまだまだ浅い印象。
また、近年の経済規模も300億円程度。アメリカが1兆円を超えている点を考慮すれば、その差は比べるまでもありませんね。
加えて、コーチングのテーマも拡大しており、最近は語学や家族関係、婚活なども高い人気を誇ります。
以上のことから、コーチングは今もっとも注目度が高い成長市場の1つといって差し支えなく、誰にでも成功するチャンスがあるのです。
コーチングで独立する4つのステップ
ここからは、コーチングで独立する際のステップを4つに分けて解説します。
- コーチングに必要なスキルを身につける
- クライアントの集客を始める
- 副業としてチャレンジする
- 本業に退職の意思を伝える
コーチングに必要なスキルを身につける
コーチングで独立するのなら、まずは売り物になる「スキル」を身につけなければなりません。具体的には、以下の3つがコーチングに必要とされています。
- 悩みを引き出す(質問)能力
- 目的や願望を聞き取る(傾聴)能力
- 能力・成果を効果的に認めてあげる(承認)能力
さらに、次のコーチング資格を取得すれば、クライアントからの信頼にも繋がるはずです。
- 国際コーチ連盟(ICF)
- 日本コーチ連盟(JCF)
- 一般財団法人生涯学習開発財団
しかし、ここで注意したいのは「資格取得がゴール」ではなく「コーチングスキルの習得」が目的ということ。
万が一資格試験に受からなくても、コーチングでの独立には一切影響しないので、気軽な気持ちで勉強してくださいね。
コーチング関連の資格については、こちらの記事でも解説しています。
クライアントの集客を始める
十分なスキルが身についたら、さっそくクライアントの集客を始めていきましょう。たとえば、FacebookなどのSNSも効果的ですが、スキルマーケットなども手軽で人気です。
- Facebook、TwitterなどのSNS
- メールマガジンやブログ
- ココナラなどのスキルマーケット
ただし、どれか一つを運用するのではなく、複数を組み合わせて自身の露出度を高めるのがおすすめ。具体的には、YouTubeの動画概要にブログを掲載し、記事内にLP(ランディングページ)を仕込むと良いでしょう。
副業としてチャレンジする
集客の仕組みを確立し、コーチング独立の基盤が出来上がったとしても、まだ本業を退職してはいけません。
まずは休日限定で副業からスタートして、業務経験やコネクションを積み上げつつ、固定のクライアントも獲得しましょう。
ちなみに、副業コーチでも月に10万円以上稼ぐプレイヤーは数多く存在します。また、コーチングスキルを本業へ逆輸入すれば、業務パフォーマンスが向上する可能性もあるため、一旦副業の状態で数か月程度過ごしてみるのもおすすめです。
関連記事:コーチング副業の始め方!失敗パターンと稼ぐ方法を解説
退職の意思を伝える
副業で十分な手ごたえを感じたら、所属企業に退職の意思を伝えます。ただし、見込みが甘い状態で独立すると、コーチングで収益が得られなかった際、経済的に困窮してしまうリスクがあるため、以下を基準にすると良いでしょう。
- 本業と同程度の収入を数か月連続で稼げた
- 長期契約のクライアントを複数確保できた
先ほど触れた通り、もし副業で十分に稼げるのなら、独立しなくても問題ありません。自分自身の状況と将来性を考慮して、慎重に決めてください。
コーチングで独立する3つのメリット
ここからは、コーチングで独立するメリットを3つ解説します。
- スモールスタートできる
- 幅広いスキルが活かせる
- ライフワークバランスが取りやすい
コーチング独立の旨味を最大限に引き出すためにも、ぜひ参考にしてください。
スモールスタートできる
コーチングは特定の商品を販売するのではなく、自分のスキルを売り物にする職業。
したがって、極端に言うと「スマホ一つ」あれば営業は可能であり、オンラインミーティング用にパソコンも持っていればなお万全です。
ただし、個人事業主として開業する場合は、税務署へ「開業届」を提出しなければなりません。とはいえ、昨今はインターネットで簡単に提出できるので、そこまで手間はかからないでしょう。
幅広いスキルが活かせる
コーチングのテーマは年々増加しており、これまではお金にならなかった領域も人気が出始めています。
【コーチングのテーマ】
- 【ビジネス】パフォーマンス向上、部下の育成など
- 【人間関係】恋愛の進め方、友達の増やし方など
- 【生活】ダイエット、運動習慣化など
- 【学習面】読書の趣味化、メンター探しなど
上記の通り、ちょっとした趣味やマイナーなスキルが活用できるのは、コーチング最大のメリットといえるでしょう。
また、「ビジネス系」に「人間関係」といった複数ジャンルのコーチングを並行するのも効果的。一つのジャンルにこだわらず、自由な発想で取り組んでみてください。
ライフワークバランスが取りやすい
コーチとして独立すれば、企業の拘束から抜け出し、自分の裁量で働けるようになります。すなわち、休日や早退は完全に自由。きちんと仕事さえこなせば、丸一か月休んでも問題ありません。
【独立すると自由になること】
- 気分次第で突然翌日休める
- 天気が良いから仕事を中断して散歩
- 保育園のお迎えに合わせて切り上げられる
経験を積んで報酬単価を上げれば、少ない稼働時間でも十分稼げるようになり、さらにプライベートへ割ける時間が増えるでしょう。
コーチングで独立する2つのデメリット
コーチングで独立するメリットが把握できたところで、次はデメリットを解説します。
- 収入が得られない可能性もある
- 会社員より業務量が多い
より安全性を高めるためにも、ぜひ参考にしてください。
収入が得られない可能性もある
コーチングで独立した瞬間から「給与」をもらう権利がなくなり、自分の力で仕事が獲得できなければ当然収入はゼロ円。最悪の場合、そのまま無収入状態が続いて撤退する可能性すらあります。
会社員より業務量が多い
コーチングで独立した場合は、以下のような業務もすべて自分一人で行わなければなりません。
- 確定申告などの事務手続き
- 営業活動
- クレーム対応
特に、営業活動は収入に関わる大切な要素ですが、専門的なスキルが必要な上に、コーチングと両立すると多大な労力がかかります。
そのため、副業として取り組んでいる段階から、クライアントの定着と宣伝に注力することが大切なのです。
関連記事:コーチング起業での集客方法11選!成功の秘訣と失敗例も紹介
コーチングの独立で失敗しないためのコツ
ここからは、コーチングの独立で失敗しないためのコツを3つ解説します。
- 必ず副業で試してみる
- 不要な固定費を減らしておく
- 集客の仕組みを確立する
少しでも成功率を高められるように、しっかり押さえておいてくださいね。
必ず副業で試してみる
コーチングの独立で失敗したくないのなら、突然本業を退職するのではなく、まず副業で試してみましょう。
実際の仕事の取り方や営業の難しさ、集客方法の効果測定など、「本収入があるからこそ」じっくり検証できる項目がたくさんあります。
もしかすると、独立しない方が経済的な問題を抱えずに済む可能性もあるため、できる限り石橋を叩くように確認してから、独立するのがおすすめです。
不要な固定費を減らしておく
コーチングに限らず、独立当初は収入が不安定になりがちです。
もし100万円稼げたとしても、翌月にはゼロ円に落ち込むリスクもあるので、不要な固定費を減らして備えましょう。
【固定費を減らすアイデア】
- 必要性の低いサブスクリプションを解約
- 家賃が高い部屋から安い賃貸に引っ越す
- 格安シムに切り替える
集客の仕組みを確立する
コーチングで独立するなら、コーチングスキルだけでなく、集客の仕組みも確立しなければなりません。
どれだけ優れたコーチングが行えても、そもそもクライアントがいなければ無収入。スキルのトレーニングと併せて最優先で取り組みましょう。
コーチングの独立はコツを押さえれば成功率が高まる
本記事では、コーチングの概要や独立のメリット・デメリット、失敗しないためのコツを解説してきました。
コーチング業界は成長市場であり、幅広い趣味やスキルを活用してコーチになれます。
もちろん、誰もが成功を掴めるわけではなく、会社員に出戻ってしまう方も少なくありませんが、以下のポイントを押さえておけば、成功率を高められるでしょう。
- 必ず副業で試してみる
- 不要な固定費を減らしておく
- 集客の仕組みを確立する
特に、集客の仕組みの確立は最優先で取り組むべきポイント。以下の記事ではコーチングと相性が良い集客方法を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。