オンラインカウンセリングの利用を検討している方の中には、「おすすめのサービスを知りたい」「数が多くて、どれを比較すればいいか分からない」という方が多いのではないでしょうか?
また、「オンラインカウンセラーになるには?」「起業や副業での注意点は何?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、オンラインカウンセラーサービスの種類や特徴、メリットと注意点について詳しく解説します。加えて、おすすめのサービスやオンラインカウンセラーとして起業、副業したい方向けの情報もまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそもオンラインカウンセリングとは
オンラインカウンセリングとは、電話やメールなどでカウンセリングを受けられるサービスのことです。
自宅にいながら好きな時間に受けられるため、昨今は特に注目されるようになりました。
ここからは、オンラインカウンセリングの種類について紹介します。
ビデオによるカウンセリング
ビデオによるカウンセリングでは、オンライン会議などで使われるアプリケーションを使用します。
カウンセラーと相談者は、お互いにどこからでも参加することができ、時間になったら接続するだけです。
お互いの顔を見ながら話すことで、言葉だけでは伝わりにくい表情や仕草を見ながら話を進められます。
ただし、アプリケーションを操作するため、パソコンやタブレットの操作に慣れていない方は、接続に戸惑うかもしれません。
電話によるカウンセリング
電話によるカウンセリングでは、顔を見せずに話をすることができるため、対面が苦手な方でも落ち着いて相談できます。
電話カウンセリングを24時間受け付けているサービスもあり、辛くなった時や今すぐ誰かに聞いてほしい時にもカウンセリングを受けられます。
ただし、場所によっては電話の声が周囲に聞こえる可能性があるので、話を聞かれたくない場合は注意が必要です。
関連記事:電話カウンセリングとは?サービスの内容や特徴を紹介
メールによるカウンセリング
メールによるカウンセリングは、文字だけで行うカウンセリングです。
メールの場合、予め自分の考えをまとめたうえで相談できるだけでなく、時間と場所を問わずに送信できます。
日中に仕事や育児があり、なかなかまとまった時間を取ることができない方でも相談しやすい方法です。
また、対面よりも料金が安く、「電話するほどでもないけれど……」と迷っている方にとっては、敷居が低いともいえます。
メールカウンセリングの場合、すぐは返信してもらえない場合があるため、返事を急ぐ方は注意してください。
チャットによるカウンセリング
チャットによるカウンセリングは、メールカウンセリングと同様に文字だけで行うカウンセリング方法です。話すことが苦手な方でも、チャットで気軽にカウンセラーとやり取りできます。
また、会話の記録を残すことができるため、相談した内容を自身で振り返ることも可能です。
ただし、チャットカウンセリングの場合、チャットにリアルタイムで入力する必要があるため、タイピングが苦手な方だと「電話で話したほうが早い」と感じるかもしれません。
おすすめのオンラインカウンセリング
コロナ禍によるオンライン化の加速に伴い、現在は数多くのオンラインカウンセラーサービスがあります。
ここでは、おすすめの4社を紹介しますので、自分にあうサービスはどれか、ぜひ探してみてください。
cotree(コトリー)
cotreeは、「もっと気軽に、心のことを相談できる場をつくりたい」という創設者の信念のもと、2014年にオンラインカウンセリングをスタートしています。
220人以上の厳選されたカウンセラーが在籍しており、公認心理士やキャリアコンサルタント、産業カウンセラー、精神科専門医などの資格保持者がいます。
その中から、条件やマッチング診断、プロフィールを参考にして、自分にあったカウンセラーを選ぶことが可能です。
24時間いつでも予約することができ、カウンセラーのプロフィールから最短の予約時間を確認できます。
電話やビデオカウンセリングは45分間5,500円(税込)から、メールカウンセリングは1日1回程度のやり取りで2週間8,800円(税込)から受けられます。
うららか相談室
うららか相談室は、2019年に「カウンセリングをもっと身近に」というビジョンのもと、オンラインカウンセリングのサービスを開始しました。
専門的なカウンセラーの登録者数が多く、臨床心理士は122名、公認心理士は177名が登録されています(2022年9月現在)。
即日予約可能なカウンセラーを瞬時にチェックすることができ、カウンセラーのプロフィールにいつが相談可能か記載されています。
電話やビデオのカウンセリングは50分間5,280円(税込)から、メールカウンセリングは24時間以内の返信で3往復3,960円(税込)から受けられます。
かもみーる
かもみーるは、オンライン診察をメインとした心療内科クリニック「かもみーる心のクリニック」の赤堀将太郎氏が監修を務めるオンラインカウンセリングです。
かもみーるでは、臨床心理士や公認心理士以外に、かもみーる心のクリニックに所属している精神科医に相談することができます。
「オンライン診療」「遠隔相談」に対応しているので、心療内科や精神科はハードルが高くてなかなか受診できないという方でも、相談しやすいでしょう。
かかる費用は自分が選択した専門家によって異なるため、申し込み前に必ず費用を確認しておきましょう。また、保険診療を用いて相談することができます。
Unlace(アンレース)
Unlaceは、新宿区四谷にある精神科・心療内科のクリニック「VISION PARTNER メンタルクリニック四谷」で院長を務める、尾林 誉史氏が監修するオンラインカウンセリングです。
Unlaceには、臨床心理士や精神保健福祉士など、数多くのカウンセラーが在籍しています。
24時間365日利用でき、相談形式はチャットとビデオでのカウンセリングを行っています。料金は2週間8,800円(税込)からで、利用回数に関係なく定額で設定されているのがポイントです。
チャットは12時間以内を目安に返信され、満足がいかない場合は30日以上の利用があれば全額返金保証されます。
担当カウンセラーは、相談内容をもとに3人に絞って提案されるため、誰を選んでいいか分からないと思う方でも選択しやすくなっています。
オンラインカウンセリングのメリット
ここからは、オンラインカウンセリングの具体的なメリットについて見ていきましょう。
時間や場所にとらわれない
オンラインでカウンセリングが受けられる一番のメリットは、「時間や場所にとらわれない」ことです。
対面の場合は移動に時間がかかるのに対し、オンラインではどこにいても相談できます。
場所にとらわれないので、自分にあうカウンセラーを全国から探すことができます。また、引っ越しなどで住所が変わっても、引き続き同じカウンセラーに相談することが可能です。
ただし、選択肢が多くなってしまうぶん、どのサービスを利用すればいいか迷ってしまう方もいるでしょう。そんな時は、カウンセリングの費用や所属するカウンセラーなどを比較して、自分にあったサービスを探してみてください。
費用が比較的安い
オンラインカウンセリングは、料金が比較的安く設定されています。
カウンセラーがカウンセリングルームを構える必要がないため、対面でのカウンセリングより費用を抑えられるからです。
また、オンラインカウンセリングの中でも、ビデオよりメールのほうが相談料が安いなど、選択する方法によって料金が変わってきます。
サービスによって料金体系はさまざまあるため、事前にしっかりと確認しましょう。
気軽に相談できる
対面でのカウンセリングは、事前予約をしたうえでクリニックまで通う必要があるため、気軽に使いづらい面がありました。
その点、オンラインカウンセリングの場合は、カウンセリングを受けたいと思った時に自宅にいながら利用でき、「クリニックが混んでいて待たされる」ということもありません。
また、顔出しや会話でのカウンセリングに抵抗がある方は、直接会わずに顔を出すこともなく、メールやチャットで相談ができます。
緊張しにくい状態で受けられる点も、オンラインカウンセリングならではのメリットといえるでしょう。
オンラインカウンセリングのデメリットや注意点
オンラインカウンセリングには、いくつか知っておきたいデメリットもあります。
症状によっては通院のほうが良い
精神科医は診察の際、患者からの話だけでなく、患者の様子、表情、声のトーン、話し方など、さまざまな状況から症状を判断します。
オンラインカウンセリングの場合、特にチャットやメールなどでは患者の状態が確認できないため、症状の判断が難しいケースが多いです。
「以前に比べて落ち込むようになった」「意欲がなくなった」「倦怠感が取れない」などメンタル不調が続く場合は、オンラインカウンセリングより、通院のほうが良い場合があります。
オンラインカウンセリングでなかなか症状が改善しないという場合は、通院も検討してみましょう。
機器や電波に不具合が発生することがある
オンライン上でビデオや電話でのカウンセリングを行う場合、面談の途中で画面が固まってしまったり、突然回線が落ちてしまったりすることがあります。
その理由は、Wi-Fiなどのインターネット通信の環境が不安定になるからです。カウンセリングを受ける前には、事前に接続テストを行いトラブルを回避しましょう。
スマホやパソコンで設定をする必要がある
初めて接続する際は、アプリケーションのダウンロード方法が分からなかったり接続方法が分からないなど、スムーズに始められないことがあります。
また、使用するパソコンによっては、カメラやマイクが内蔵されていないものも多いです。そういったパソコンでは、自身の顔が映らず声が届かないため、別の機器が必要になります。
カウンセリングは時間が限られているため、当日のトラブルはできるだけ少ないほうが望ましいです。事前にアプリケーションをダウンロードし、接続マニュアルに予め目を通しておきましょう。
言いたいことを伝えづらいことがある
オンラインカウンセリングの場合は直接会って話さないため、対面式のカウンセリングに比べて言いたいことを伝えづらい場合があります。
ビデオによるカウンセリングの場合、対面にはなりますが、パソコンなどを通してのやり取りになるので、聞き取りにくい、声を出しにくいケースもあるでしょう。
また、オンラインカウンセリングを初めて受ける方の中には、慣れない機械越しでの会話に緊張してしまい、無言になってしまう場合や、考えがまとまらない場合があります。
「カウンセラーに何を伝えたいのか」を、事前に考えをメモにまとめておくと、面談中困った際にうまく活用することができるでしょう。
オンラインカウンセリングを選ぶポイント
オンラインカウンセラーは複数のサービスがあるため、どれを選べばいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
ここでは、オンラインカウンセリングを選ぶポイントを3つに分けて紹介します。
相談方法が自分にあっているか
オンラインカウンセリングの相談方法には、ビデオ、電話、メール、チャットがあります。
しかし、サービスによっては、チャットによるカウンセリングを行っていないことも多いです。
また、電話カウンセリングに関しては、純粋に電話をかけるところもあれば、ビデオカウンセリングと同様にアプリケーションを使う場合もあります。
対面で話をしたい方はビデオ、顔を出したくない場合は電話など、自分にあう相談方法を考えてみましょう。
カウンセラーが資格を持っているか
カウンセラーが資格を持った専門家かどうかも大切なポイントです。
カウンセラーのプロフィールを見ると、公認心理士、臨床心理士、社会福祉士など、さまざまな資格の記載があります。
そのプロフィールの中で見かける「心理カウンセラー」は、資格名でないことに注意してください。「心理カウンセラー」とは、心の悩みを抱えた人をサポートする職種名です。
資格を保有していなくても心理カウンセラーと名乗ることができるため、オンラインカウンセリングを行う会社によっては、資格を持たないカウンセラーが登録されている場合があります。
カウンセラーのプロフィールに資格やこれまでの経歴などが詳しく書かれている場合もあるため、カウンセラーを選ぶ場合は事前に確認しておきましょう。
プライバシー保護はしっかりしているか
オンラインカウンセリングの場合、オンライン上で行われるため、情報漏洩のリスクやプライバシーの侵害が懸念されます。
カウンセリングはプライバシーに関わる相談なので、プライバシー保護がしっかりしているかは大切なポイントです。
プライバシーの保護やセキュリティ対策をしているかどうかも確認しておきましょう。
カウンセラーとしてオンラインで起業や副業をしたい方へ!
オンラインカウンセリングは、在宅で空いた時間にできることから、起業や副業をしようと考える方も増えています。
ここでは、オンラインカウンセラーとして起業や副業する際に必要なものについて紹介します。
オンラインカウンセリングに必要な機材
オンラインカウンセリングを行う際に必要な機材は以下です。
- パソコン(スマホやタブレット)
- インターネットができる通信環境
- ヘッドホン など
オンラインカウンセラーとして起業や副業を始める場合、パソコンやインターネット環境はもともと揃っている方が多いため、開業資金はほとんどかかりません。
ただし、オンラインカウンセリングの場合、対面式のカウンセリングに比べて声が聞こえにくいことがあります。
イヤホンやヘッドセットをして面談を行うと雑音が入らず、声が聞こえやすくなるため、相談をじっくり聞くために用意しておくといいでしょう。
オンラインカウンセリングに必要なシステム
オンラインカウンセリングに必要なシステムは以下です。
- ビデオ通話アプリ
- 予約や決済ができるシステム
ビデオ通話アプリには有料版と無料版があります。
例えば、ビデオ通話アプリとして人気の「Zoom」は2022年5月より仕様変更があり、2人以上のミーティングの場合、主催者が無料版を使っていると40分の制限がつきます。
40分経ってしまうと、もう一度ミーティングを立ち上げて入室しないといけないため、可能であれば有料版を導入しましょう。
また、予約や決済ができるシステムは、オンラインビジネス向けのものが数多くあります。初心者でも始めやすい無料のプランから、スケジュール調整やメルマガまで送れる多機能な有料プランまでさまざまです。
システムによっては、Zoom機能までプランに入っている場合があるため、どのシステムがあるといいかを比較しながら検討してみましょう。
独学で取得できる心理カウンセラーの資格
心理カウンセラーとして相談者から信頼を得るためには資格が有用です。
臨床心理士や、国家資格である公認心理師は、大学で専門課程を学び卒業しないと受験資格が得られませんが、中には大学で学んでいなくとも取得できるカウンセラーの資格も存在します。
独学でも取得可能な心理カウンセラーの資格には、下記のようなものがあります。
- メンタル心理カウンセラー
- 上級心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
- 心理カウンセリングスペシャリスト
- ケアストレスカウンセラー
ただし、ケアストレスカウンセラー以外は、指定の通信講座を必ず受講する必要があります。
それでも、臨床心理士や公認心理士より取得しやすいため、上記の中から資格取得を目指してみるのも一つの手です。
関連記事:心理カウンセラーの資格とは?種類、向いている人を解説
カウンセラーとしてオンラインで起業や副業をする際のポイント
最後に、カウンセラーとして起業、副業する際に必要となるポイントについて解説します。
専門知識やスキルを身につける
多くのカウンセラーが存在する中で、相談者から信頼して選んでもらうためには、常にスキルアップすることを忘れてはいけません。
人々が抱える悩みにはさまざまなものがあるため、心理カウンセラーとして活躍するためには、開業後もカウンセリングや心理学などの勉強を継続することが大切です。
「カウンセラーの資格を取得したから終わり」ではなく、常にスキルアップすることを心がけましょう。
開業届を出す
開業届とは、事業を新たに開始する際に税務署へ提出する資料です。事業を開始した日から1カ月以内に提出する必要があります。
開業届には、納税地や氏名、職業、屋号、事業の概要などの項目があります。屋号とは、事業で使用する名称のことで、いわゆる「店名」「会社名」となるため、とても重要です。
屋号には好きな名前をつけられますが、事業内容が分かりやすく、覚えやすい屋号を考えておきましょう。
ブログやSNSで集客をする
相談者を増やすためには、集客する必要があります。カウンセリングはサービスの規定が明確でなく、個々の裁量が大きいため、新規の顧客を獲得することは簡単ではありません。
昨今ではSNS利用者が急増しているため、集客の際にはSNSやブログを利用したアピールが効果的です。
ただし、ブログやSNSには宣伝を投稿するだけではなく、自分自身の人柄や能力をアピールすることも大切です。
カウンセラーがどのような人なのかが分かれば、信頼性が増して「カウンセリングを受けてみたい」と感じてもらえるかもしれません。
クーポン割引、定額制、次回割引、満足保証など、セールスに関することは、別途ホームページを作成して掲載するようにしましょう。
経営を学ぶ
カウンセラーとしていくら資格や実績があっても、それと「経営の知識」は別ものです。
経営については、独学で本を読んだり、経営セミナーに参加したりするなど、カウンセラーの知識とは別に学ぶ必要があるでしょう。
経営を勉強するにあたって、はじめに押さえるべきポイントは経営の数字を把握することです。毎月の収支やかかった経費などの数字をしっかり把握し、黒字経営を目指しましょう。
関連記事:カウンセラーとして独立開業!方法やメリット、資格の有無を解説
特徴を理解してオンラインカウンセリングを始めましょう
従来は対面式であったカウンセリングも、オンライン需要が高まっていることで、オンラインカウンセリングを選ぶ方が増えています。
オンラインカウンセリングは、自宅からカウンセリングを受けられる点や、全国から自分にあったカウンセラーを探せるといったメリットがあります。
また、カウンセラーとして起業や副業をする場合、オンラインカウンセリングであれば、カウンセリングルームを持つことなく、初期投資を抑えることができます。
オンラインカウンセリングを受けてみたい方はもちろん、オンラインカウンセラーとして起業や副業を考えている方も、一度自分自身でオンラインカウンセリングを体験してみることから始めてみてはいかがでしょうか。